NHK大河ドラマ「どうする家康」の第29話「伊賀を越えろ!」のネタバレとあらすじをご紹介します。
この記事には大河ドラマの内容のネタバレが含まれています。
事前に内容を知りたくない方は、適宜読み飛ばしてください。
どうする家康ネタバレとあらすじ 第29話「伊賀を越えろ!」
8月6日放送予定の「どうする家康」第29話「伊賀を越えろ!」の内容です。
前回の第28話「本能寺の変」で、家康は市から信長の本心を聞かされます。
信長はこれまで家康を散々いじめてきましたが、決して家康の領土に攻め入るなど、手を出すことはありませんでした。
その理由が、「家康は信長の唯一の友だから」と市は言います。
それを聞いた家康は「まさか」と大いに動揺します。
信長の本心を知ったその夜、家康は瀬名の形見となった木彫りのウサギを見つめて考え続けました。
そんな中、「本能寺にて織田信長死す」の急報が入ります。
信長を討った明智光秀は、家康も標的にしているとのことでした。
家康は50人ほどの家臣と一緒に、山の中を三河に向かって走り出します。
脳裏には、信長との思い出が浮かんでは消えていきます。
楽しかった記憶は一つもなく、いたぶられてばかり…
しかし、弱く臆病な自分がここまで生き延びてこられたのは、信長がいたからこそだ―――
家康:「皆の者、誰も死ぬな!生き延びるぞ!」
一行は三河に向かって走り続けます。
第29話「伊賀を越えろ!」はこの続きから始まります。
本能寺の変
1582年6月2日の早朝、京の本能寺にて明智光秀の大軍勢に急襲された織田信長は、火を放ったうえで自刃しました。
光秀はすかさず信長の嫡男である織田信忠も襲撃。
前途有望な後継者だった信忠も、二条御所にて自刃に追い込まれます。
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またたく間に京を制圧した光秀は、同時に公家たちへの工作も開始します。
見事な手際の良さで、次の天下人としての足場を固めていきました。
柴田勝家・羽柴秀吉らの重臣にも光秀の謀反は伝えられましたが、彼らは遠方で戦の最中です。
光秀からみれば、目下の難敵は家康ただ1人でした。
伊賀越え
家康たちは三河に向かって山中をひた走っていました。
堺から出発した一行は、どうにか京の南部を流れる木津川を渡ったところまで来ていました。
ただ、茶屋四郎次郎に渡された金は既に底をついてしまっています。
服部半蔵が農家から奪ってきた大根を皆でわけあって食べているような有様です。
半蔵:「…殿、伊賀越えで参りましょう。」
満身創痍の一行に、半蔵が提案しました。
伊賀は織田との戦でひどい有様だと言われています。
一番の近道だと半蔵はいいますが、一同は不安の色を隠せません。
しかし、伊賀国は服部の故郷…伊賀に入れば安心だ、と半蔵は自信ありげに語ります。
家康:「途中、夜を過ごせるところはあるか?」
半蔵:「この先に小川城が」
小川城の城主・多羅尾光俊(たらおみつとし)は、甲賀忍者の親玉で、過去に何度か戦を手伝ってもらったこともあります。
だが、今や落ち武者同然の徳川を受け入れてくれるのか…
家康:「…頼るしかない」
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涙の別れ
一同が立ち上がります。
すると、左衛門尉と数正が家康の前に進み出ました。
左衛門尉:「追手を欺くため、三手に別れましょう。」
左衛門尉は遠回りとなる信楽の近江路を、数正は人目につきやすい桜峠(※伊賀と甲賀の間の峠)を行くと言います。
家康はすぐに察しました。
家康:「…お前たち、おとりになる気か?」
それを聞いた平八郎と小平太がすぐに代役を買って出ます。
しかし、左衛門尉と数正は譲りません。
もう若くない自分たちは足手まといになる…これからはお前たちが殿をささえていくのだ、と―――
左衛門尉:「殿…どうかご無事で!」
数正:「これまで長い間、殿のおそばで…」
家康:「そんな事は言うな!死んだら許さんぞ…!」
織田の勢力圏内である伊勢の白子浜で落ち合うことを約束し、涙の別れを済ませました。
あやしい親切
家康たちが向かった小川城主の多羅尾光俊は、盗賊の親玉のような風貌をしています。
多羅尾:「ようおいでなさった!どうぞ城にてお休みくだされ!」
わざわざ城から出てきて満面の笑みで家康たちを歓迎します。
―――うさんくさい
平八郎:「引き揚げた方がいいでしょう」
平八郎・小平太は戦闘態勢です。
そのとき、城から食料をかかえた者たちが出てきました。
先頭にはかつて上ノ郷城攻めでともに戦った、甲賀衆の伴与七郎がいます。
(※今川の人質だった瀬名と子供たちを助けるために、服部半蔵らとともに上ノ郷城に侵入した甲賀忍びの頭目です。関連記事:続・瀬名奪還作戦)
与七郎:「ご案じなさるな~!炊きたての赤飯でございますぞ!」
皆の警戒心はあっけなく吹き飛びました。
夢中で食べる家康たちに、城主の多羅尾が自ら白湯をふるまいます。
多羅尾:「えらい目に遭いましたな。今宵はぐっすりお休みくだされ!」
寝具はもちろん、目くらましのための山伏の装束まで用意してくれています。
有能な忍び
家康:「かたじけない、何から何まで」
多羅尾:「しかし、いかがなもんじゃろうなあ…」
多羅尾は伊賀越えに難色を示します。
伊賀は昔から守護・大名が国を支配することができず、土豪たちが独自の砦を築いて自衛している修羅の地だと言います。
しかも、頼りの服部党は、実は誰も伊賀に行ったことがないらしいのです。
さらに、伊賀の者は国をめちゃくちゃにした織田を心底憎んでいるとのこと。
多羅尾:「そんな中に、織田様のお仲間である徳川様が入り込めばどうなるか…」
信長が伊賀を攻めた際、家康は伊賀から逃れてきた者たちを大勢かくまっていました。
しかし、多羅尾も伴も、口を揃えて伊賀者は忘恩の徒だと話します。
多羅尾は、伊賀を避けて信楽を目指すほうが安全だといい、護衛役まで申し出てくれました。
多羅尾に対する疑念を完全に捨てきれなかった家康は、深夜に寝たふりをしながら半蔵に訪ねます。
家康:「…どう思う?」
半蔵:「どうも、親切が過ぎるかと」
信楽で明智の兵が待ち受けているに違いない、山伏の装束は家康だという目印である、といつになく有能な忍びらしいことを言いました。
半蔵を信じた家康とその一行は、感謝の手紙を残し、夜明けを待たずにそそくさと城を出ます。
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「軍師」との再会
翌朝、伊賀に入った家康と半蔵ら服部党は、早速縄で縛られ牢に閉じ込められていました。
山で伊賀忍者の集団に襲われ、捕まってしまったのです。
???:「大したもんもってねえな…徳川家康ってのはこんなもんか」
親分らしき老忍びが家康の木彫りのウサギを手に取り、投げ捨てます。
百地丹波:「わしゃこの伊賀の頭領、百地丹波(ももちたんば)ってもんだ」
憎き信長を討ち取ってくれた光秀に家康の首をくれてやると、家康を牢から引きずり出して刀を抜きます。
家康は死を覚悟しました。
家康:「わしの首をやる…だから他の者は見逃せ!」
そのとき、土間の方から男がふらりと現れました。
百地:「おお、軍師殿、ようやく見えられたか。」
「軍師」は家康の顔を覗き込んでニタニタ笑います。
軍師:「こりゃ驚いた。本当に家康だ。」
驚いたのは家康の方です。
軍師と呼ばれるその男は、かつての家臣、本多正信でした。
三河一向一揆で対立し、国外追放となって以来消息不明だった男は、いつのまにか伊賀の軍師になっていました。
正信は「いかさま師」と言われた得意の舌先三寸で、機転をきかせて家康を救いました。
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さすが半蔵
正信:「身をもって伊賀者を助けようとする殿様など初めて見ました。なかなかの主になられたようじゃ。」
正信はニヤニヤしています。
別の場所に捕らわれていた平八郎たちと合流した家康一行は、何度も危険な目に遭いながら、なんとか伊勢の白子浜にたどり着きました。
左衛門尉:「待ちくたびれましたぞ、殿。」
涙の別れをしたはずの左衛門尉と数正は、敵にも遭わずにすんなりここまで来れたといいます。
信楽を通った数正が無傷ということは、やはり多羅尾はただの親切でした。
大体のことが裏目に出る半蔵でしたが、今回もその能力を遺憾なく発揮しました。
これでは家康がおとりになったようなものです。
ともあれ、一行は無事岡崎城に帰還しました。
そして、本能寺の変から11日後、羽柴秀吉との戦いに敗れた明智光秀は、本拠地・坂本城へ落ち延びる途中、落ち武者狩りに遭って非業の死を遂げました。
第30話に続きます。