NHK大河ドラマ「どうする家康」の第39話「太閤、くたばる」のネタバレとあらすじをご紹介します。
この記事には大河ドラマの内容のネタバレが含まれています。
事前に内容を知りたくない方は、適宜読み飛ばしてください。
どうする家康ネタバレとあらすじ 第39話「太閤、くたばる」
10月15日放送予定の「どうする家康」第39話「太閤、くたばる」の内容です。
前回の第38話「唐入り」では、文禄の役の様子が描かれました。
子を失った秀吉がその悲しみを埋めるため、同じく傷心の茶々の心を癒やすため、新たな領土を手に入れるーーー
そういう戦にしか見えなかった家康は、秀吉を止めることに力を注ぎます。
紆余曲折の後、ようやく明国との和議で戦が終わりそうなまさにその時、秀吉のもとに思いがけない知らせが届きます。
「茶々がまた子を授かった」
家康らが必死で説得して、ようやく茶々の呪縛から開放された秀吉でしたが、その知らせを聞いて狂気じみた笑い声をあげます。
その笑い声を聞きながら、家康は全身から血の気が引いていくのを感じていました。
第39話「太閤、くたばる」はこの続きから始まります。
秀吉の暴走
茶々が第二子にあたる男児を産むと、秀吉はすっかりと活力を取り戻しました。
秀吉:「明国を征することは先送りとしよう。甚だ不本意ではあるが、それでよしとする。」
しかし、秀吉から渡された和平案を読んで、石田三成らは絶句します。
- 明国の皇女を帝の后とする
- 朝鮮の王子を人質として差し出させる
- 朝鮮の南半分の領地を得る
とても明国が受け入れるとは思えない内容です。
秀吉:「それ以上は一歩も譲れぬ、しかと進めよ。これにて余は大阪に戻る。」
秀吉は飛ぶようにして大阪へ戻り、「拾(ひろい)」と名付けた我が子と待望の対面を果たします。
感激の面持ちで拾を抱き上げようとした秀吉は、不意に恐怖の表情を浮かべ、自分の手を引っ込めて後ずさりました。
秀吉:「この手は...多くの者を殺めてきたで...」
思い詰めたように「汚れた者を拾に近づけるな、粗相をした者は誰であれ成敗しろ」と命じます。
秀吉:「その小さき者が、余のすべてじゃ」
それから秀吉は、自身の後継者として関白職を譲った甥の豊臣秀次を自害に追い込むと、その妻子を皆殺しにするという凶行に及びます。
悪鬼のごとく、拾の邪魔になる者はひとり残らず排除していきました。
さらば忠臣
冬、家康は京で隠居生活をおくる左衛門督(酒井忠次)の屋敷を訪れます。
左衛門督:「殿、わざわざのお渡り、痛み入ります。」
70歳となった左衛門督は、妻の手を借りてやってきました。
家康:「秀忠が祝言を挙げたんでな、挨拶に寄らせた。」
家康が連れている若者は、3男の徳川秀忠。
彼はこの度、茶々の妹である江(ごう)と結婚することになりました。
この婚姻は秀吉が強く望んだものでした。
左衛門督:「徳川と豊臣のつながりを強めるのに必死なご様子。ま、悪いことではござらぬ。」
月を見ながら久しぶりに主従で酒を交わします。
左衛門督は家康を手招きすると、姿かたちを確かめるように手で触り、
左衛門督:「ここまでよう耐え忍ばれましたな...よくぞ乗り越えて参られた。」
父が息子にするように、左衛門督は家康を抱きしめます。
ーーーこの3か月後、生涯にわたり徳川家康を支え続けた忠義の士・酒井忠次はこの世を去りました。
慶長の役
明国皇帝からの返事がもたらされ、秀吉は大阪城で明国の使節と会っていました。
秀吉:「余は満足である。」
驚いたことに、無理難題と思われた例の約定を、明国は受け入れたようです。
こうして無事、明国との和議は結ばれた、かに見えたのですが...
数日後、三成が暗い面持ちで伏見の徳川屋敷へやってきます。
家康:「...それでは、殿下に読み上げた国書は、小西殿と明の役人が示し合わせて作ったということか?」
今は和議を結ぶことが先決と、それぞれの部下が偽の国書で秀吉と明の皇帝、双方を騙したというのです。
そのはかりごとがすでに明るみに出てしまい、秀吉は激怒し、再び朝鮮に攻め入ると息巻いているとのことでした。
三成:「...殿下のお怒り収まらず、われらではどうにも...」
家康:「わかった、馬を引け」
家康は三成とともに大阪城ヘ向かい、今一度考え直すように秀吉に進言しました。
しかし、説得は徒労に終わります。
秀吉は伏見城に諸将を集めると、
「朝鮮の南半分を奪取して皆に分け与える。刃向かう物は皆殺しにせよ」と命令を下しました。
こうして、2度めの朝鮮出兵が始まります。
しかし、明と朝鮮の連合軍は激しく抵抗。
日の本の諸大名や民は、次第にこの戦を嫌がるようになり、秀吉への不満から京の治安は乱れていきました。
渡航した者も心身ともに疲弊し、ひどいありさまだという話です。
本多正信:「国の内も外もめちゃくちゃ。着々と乱世に逆戻りしておりますなあ。」
家康:「やめよ正信...策は無限にある、そう殿下は仰せになった。それを信じるのみじゃ。」
と、言いながら、家康は誰より不安を感じていました。
そんな状況下で、秀吉が倒れたとの噂が広まります。
新たな政
「太閤倒れる」の知らせは、またたく間に世に広まりました。
万が一、このまま秀吉が亡くなれば、世の中は大混乱に陥ります。
しかし、幸いにも秀吉は、三日三晩眠り続けた後、昏睡状態から回復し、意識を取り戻しました。
死線をさまよった秀吉は、三成を呼んで遺言の相談をします。
秀吉:「秀頼はあまりに幼い。わしが死んだ後どうするがええ?誰が天下人になる?」
三成はこれを機に、以前から描いていた新たな政の構想を提言しました。
- 天下人は無用。
- 豊臣への忠義と知恵を持つ者が話し合いで政を進める。
- 秀頼が成長したあかつきには皆で秀頼を支える。
秀吉:「...わしも同じ考えよ、治部(三成)やってみい。」
感激した三成は早速家康に報告し、前田利家を交えて酒を酌み交わしました。
家康:「治部殿、そなたが夢見た政、試すときが来たようでござるな。」
力ではなく、知恵で政を行うーーー
それは家康が目指す「徳を持って天下を治める王道」にも通じる考え方です。
三成:「徳川殿と前田殿には、力ある大名たちをまとめ上げ、われら5人の奉行をお支えいただくこと、お願い申し上げる次第。」
家康:「無論、引き受けますぞ!」
しかし、秀吉の容態は再び悪化していきます。
サルとの別れ
病床の秀吉から、「どうしても話がしたい」と家康にお呼びがかかりました。
居室に入った家康は、死相の現れた秀吉の顔を見て愕然としました。
秀吉も自分の死期が近いことを悟っているのでしょう。
「秀頼を頼む」
そればかりを口にします。
戦のことも、世の安寧も、民の幸せも、豊臣の天下すらどうでもいいーーー
ただ秀頼が幸せに暮らしていけるなら、それでいい...
家康:「情けない...それではただの老人ではないか。」
この日の本をめちゃくちゃにして放り出すのか?と秀吉を責めます。
秀吉:「ああそうよ、なんもかんもみんな放り投げて、わしはくたばる。あとはおめーがどうにかせえ!」
家康の大嫌いだった、欲深で狡猾なサルが目の前にいました。
家康:「死なさんぞ、まだ死なさんぞ秀吉!」
しかし、秀吉は名残惜しそうに家康を見つめて言いました。
秀吉:「...うまくやりなされや」
家康:「...二度と戦乱の世には戻さぬ!...あとは任せよ。」
慶長3年8月18日、秀吉は信長の待つ彼岸へと旅立ちました。
忠臣の遺言
家康は眠れずに夜空を見上げています。
左衛門督の屋敷を訪ねたときの記憶が蘇ってきました。
左衛門督は最後に一つだけ言い残して良いか?と家康に尋ねます。
左衛門督:「天下をお取りなされ。」
家康がやらねばならぬのだ...
戦が嫌いな家康だからこそできるのだ...
左衛門督は揺るぎない信頼の眼差しを家康に注いでいました。
第40話に続きます。