鎌倉殿の13人の第45話「八幡宮の階段」のあらすじです。
この記事の内容はネタバレを含みます。
事前に内容を知りたくない方は、適宜読み飛ばして下さい。
鎌倉殿の13人 第45話のあらすじ
11月27日放送予定の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の第45話「八幡宮の階段」のあらすじです。
前回の44話「審判の日」では、源実朝が右大臣に就任したことを受け、鶴岡八幡宮にて拝賀の儀式が執り行われる様子が描かれました。
公暁は、拝賀式の日に源実朝を討ち取ろうと決意します。
乳母夫の三浦義村とともにその準備を進めていました。
その不穏な動きに北条泰時が気づき、義時に報告します。
三浦義村を問い詰めた義時は、公暁が実朝暗殺を狙っていることを確信し、実朝に伝えます。
しかし、源仲章がこの忠告をはねのけてしまいます。
結局、儀式は予定通り行われることに決まりました。
実朝としては、甥である公暁がなぜ自分を暗殺しようとしているのかわかりません。
いろいろと話を聞いていくなかで、実朝は兄・頼家の死の真相を始めて知ります。
そして単身、公暁のもとに謝りに向かいました。
力を合わせようと公暁の手を取る実朝でしたが、公暁は実朝のことを完全には信じることができませんでした。
そうして、ついに拝賀の儀式が始まります。
門の外で待機していた泰時らは、公暁の動きが気になり、その様子を調べます。
公暁はいるはずの場所におらず、代わりに図面が残されていました。
その図面には、儀式の行列の並びが描かれており、いくつかの「しるし」が記されていました。
その「しるし」の位置を見た泰時は驚愕します。
公暁の本当の狙いは、源実朝ではなく、北条義時だったのです。
45話はその続きから始まります。
鶴岡八幡宮からの帰り道
その日の夜は雪が降りしきっていました。
源実朝が鶴岡八幡宮での拝賀を終え、廊下に出てきます。
大階段の上の大きな門の前に公卿5人と「太刀持ち」が控えています。
実朝がふと庭に目をやると、なぜかそこには巫女のおばばがいました。
おばば:「天命に逆らうな…天命に逆らうな!」
そう言い残し、おばばは闇に消えていきました…。
大階段の下では、貴族や御家人たちが待機しています。
三浦義村が大階段を見上げていると、肩をたたかれました。
振り返ると、そこには義時がいて、義村は驚きます。
本来、義時は「太刀持ち」として、実朝に従い階段上の門にいるはずでした。
義時は直前になって「実朝からの命令」だと源仲章に言われ、太刀持ちの役から外されていました。
現在、階段上の門の前で「太刀持ち」として実朝を待っているのは、源仲章です。
義時は人目を避けるように三浦義村を隅に呼びます。
義時:「公暁殿はどこに潜んでいる?」
義村は公暁による実朝襲撃計画を把握していました。
ところが義村は実朝を救うために動こうとはしません。
それは義時も同じでした。
義時:「鎌倉殿は私に憤っておられる。もし、公暁殿が討ち損じたら、私は終わりだ。」
源実朝暗殺
義時と義村がそれぞれの思いをもって階段上の門を見上げたとき、泰時が駆けつけます。
「公暁が義時のことも狙っている」ということを急ぎ知らせに来たのです。
そのとき、実朝が門を出たのが見えたので、泰時は危険を知らせるために階段を駆け上がろうとしました。
すると、義時が泰時の腕を掴んでこれを引き止めます。
時房と義村も泰時の行く手に立ち塞がりました。
何も知らない実朝は誇らしい表情で階段を下りはじめ、公卿たちが後に続きます。
その時、
公暁:「覚悟!」
叫び声がして、公暁とその弟子たちが、大階段そばの銀杏の木の陰から飛び出してきました。
公暁は太刀持ちを狙って斬りつけます。
しかし、その太刀持ちは狙っていた義時ではありません。
それを知ってか知らずか、公暁は太刀持ちの源仲章にトドメを刺します。
そして、次は源実朝に狙いを定めました。
実朝は泰時から受け取った小刀を取り出して、公暁と見つめ合います。
実朝の脳裏には、さきほどの巫女のおばばの言葉「天命に逆らうな」という声がこだましていました。
実朝は小刀を落とし、憎しみに満ちた公暁の目をじっとみつめてうなずきました。
公暁が叫びながら斬りかかります。
実朝は、白く降り積もった雪を真っ赤に染めて倒れ、絶命しました。
公暁逃亡
公暁:「親の仇を討ったぞ!」
公暁は階段下で待機していた大勢に向かって叫びます。
そして、震える手で声明文を取り出し、読み始めました。
公暁:「源氏嫡流、簒奪の謀略はここに明らか…」
読み上げる途中で声明文を落としてしまいます。
声明文は源実朝の遺体の上に落ちました。
すぐに拾い上げましたが、べっとりと血がついていて文字が読めません。
公暁は青ざめます。
義時:「斬り捨てよ!」
義時の号令で警護の兵たちが公暁に襲いかかります。
公暁は逃げ出し、御家人たちがそれを追いかけます。
その混乱のなかで、巫女のおばばがあらわれ、「天命に逆らうな」と誰彼かまわず話しかけていました。
辞世の句
実朝の遺体が御所に移されます。
混乱のなか、義時は次々に指示を出していました。
公暁を捕縛し、後鳥羽上皇あてにこのことを知らせる文を出し、鎌倉に動揺がないことをアピールしなくてはなりません。
義時:「どうやら、私にはまだやらねばならぬ事があるようだ。」
義時は、直前になって「太刀持ちの役」を源仲章と交代しました。
その源仲章は公暁に殺されています。
義時は天命により、生き延びた気がしていました。
実朝暗殺の一件を、時房が政子に伝えます。
実朝の死を受け、政子は茫然自失となりましたが、公暁の命は助けたいと心が乱れます。
時房は「公暁は謀反人だ」と政子を説得し、実朝の乳母の実衣は「公暁を討ち取って御所に首をさらせ」と怒り狂っています。
その場に、実朝の妻・千世が現れました。
千世は政子に一枚の紙を差し出します。
そこにはこう書かれていました。
「出ていなば 主なき宿と なりぬとも 軒端(のきば)の梅よ 春を忘るな」
実朝が別れの歌を詠んだものでした。
実朝は自らの死を予感し、「主人がいなくなっても、梅は春を忘れずに咲いてほしい」という意味が込められた歌を残していました。
実朝の辞世の句を聞いた千世が泣き崩れます。
鎌倉殿の証
三浦義村は珍しく慌てていました。
公暁と三浦家の関わりを示すものすべてを焼き捨てろと、弟の三浦胤義に命じます。
義村:「われらが謀反に加担していたことをしゃべられたら、三浦は終わりなんだ。」
誰よりも早く公暁を見つけ、討ち取らなくてはなりません。
そのころ、公暁は、ひと目政子に会いたいと御所に忍び込み、政子がこっそり居室に招き入れていました。
話をすると、公暁は「実朝を殺せば謀反人となり、御家人の信頼は得られず、鎌倉殿になれなくなる」ということが分かっていました。
政子:「分かっていたならどうして!?」
公暁:「知らしめたかったのかもしれません。源頼朝を祖父に持ち、源頼家を父に持った私の名を。」
公暁は持っていた包みを広げます。
中には、実朝が受け継いでいた「鎌倉殿の証であるドクロ」が入っていました。
公暁は「4代目は私です。」と言い残し、ドクロを持ってどこかへ走り去って行きました。
公暁討伐
義時は三浦義村のもとへ行き、義村を追求していました。
義村は公暁をたきつけたことを認めます。
義村は、実朝の代わりに公暁を鎌倉殿に据え、武士の頂点に立ちたかったが、義時を見ていて嫌気がさしたと言います。
義村:「今のお前は、力にしがみついて恨みを集め、怯えきっている。そんな姿を見ていて誰が取って代わろうと思う?」
義時:「私にはもう敵はいない。天も味方してくれている。これからは好きにやらせてもらう。」
義村:「頼朝気取りか!」
義村が去ろうとします。
義時:「私が狙われていたことは?私に死んで欲しかったのではないか!」
義時が声を荒らげて問うと、義村はじっと義時の目を見つめて言います。
義村:「お前への殺意を知っていたら、そのとき、その場で、この手で公暁を殺めていた。」
そう言って義村は立ち去ります。
義村が三浦の館に戻ると、そこには公暁がいました。
公暁:「園城寺ならかくまってくれる。」
園城寺はかつて公暁が修行した京の寺です。
義村は段取りをつけると言いながら、公暁の背後に回り、そのまま公暁を刺し殺しました。
白い犬の話
御家人たちが御所に集まりました。
義村が首桶を差し出し、義時が検分します。
義時はあたりを見回し叫びます。
義時:「鎌倉殿の仇は、三浦平六左衛門尉(さえもんのじょう)義村がとってくれたぞ!」
義村:「この先も、この三浦一門、鎌倉のために身命をとして働く所存にございます。」
手をついてそう述べる義村を義時は冷静に見つめました。
その後、義時は宿老たちに「不思議な体験をした」と話し始めます。
大階段の下で待機していたとき、以前夢で見た犬とそっくりな白い犬が目の前に現れ、義時は急に気分が悪くなったとのことです。
義時:「これでは鎌倉殿にご迷惑をおかけすると思い、源仲章殿に太刀持ちの役目を代わって頂いた。」
そのお陰で公暁に殺されずに済んだと話を続けます。
息子・泰時と、その従者・平盛綱はこの話を信じていません。
盛綱:「役目を外されたおかげで助かったとは思われたくないのでしょう。」
冷ややかにそんな話を泰時としていると、義時がそばを通りかかります。
泰時:「あの時、なにゆえ私の腕を掴まれたのですか?父上は鎌倉殿の死を望んでおられた。」
泰時は、公暁に襲われる実朝を助けようとしたところを、義時が邪魔をしたことを避難します。
そして義時が鎌倉を思い通りにするなら、きっと阻んで見せると挑むように宣言しました。
そのころ、「息子の実朝」と「孫の公暁」、2人をいっぺんに失った政子は生きる希望を失っていました。
政子が小刀を喉元にあてた瞬間、見知らぬ女が政子の手を押さえ、死ぬなと首を横にふります。
女はトウでした。
政子の自刃を止めたトウが去っていくと、政子は床に崩れ落ちました。
宮将軍のゆくえ
鎌倉で起きた事件を聞いた後鳥羽上皇は、ショックを受けています。
後鳥羽上皇:「つくづく鎌倉とは恐ろしいところだ!」
藤原兼子:「恐ろしや、恐ろしや。鎌倉なんぞに親王様を行かせてはなりません。」
藤原兼子が「頼仁親王の鎌倉殿就任の話」を取り止めにして欲しいと頼み、後鳥羽上皇もそれに同意し、話を白紙に戻そうとします。
これに慈円が異を唱えます。
後鳥羽上皇の言うことを聞いていた実朝が死に、親王が鎌倉殿になるのを取り止めにしたらどうなるか?
慈円:「ますます北条のやりたい放題でございますぞ。」
後鳥羽上皇が一番嫌っていた事態になりかねません。
同じ話題は、鎌倉でも議論されていました。
このまま頼仁親王を鎌倉殿として迎えるかどうか、意見が真っ二つに割れます。
頼仁親王を鎌倉殿とする話は、もともと実朝と後鳥羽上皇で決めたものです。
義時としては、これを機会にもっと扱いやすい人物が鎌倉殿になって欲しいと思っていました。
大江広元は、鎌倉殿の不在が長くなれば、御家人たちの離反を呼んでしまうと早く決めるように進言します。
しかし、鎌倉側から頼仁親王の件を反故にしてしまうと朝廷からの信用を失いかねないと三善康信、北条時房らが懸念を示します。
これについては義時も同意見でした。
義時:「ならば向こうから断ってくるように仕向けたい。こうしよう。一日も早く親王様に来ていただきたいと、強く催促するのだ。」
「私に似せた仏像」
政子は傷心が癒えずに、伊豆へ帰ろうとしていました。
義時がそれを強く引き止めます。
なぜ止めるのかと問う政子に、
義時:「姉上が頼朝様の妻だからです。頼朝様のご威光を示すことができるのはあなただけだ。むしろ、立場は今まで以上に重くなります。今こそ、北条の鎌倉を作るのです。」
政子:「勝手にやりなさい!」
義時:「いいえ、姉上にはとことんつきあってもらう。我らは一心同体。これからも、そしてこの先も。」
義時は運慶に「私(義時)に似せた仏像」を作るように依頼していました。
その理由を語ります。
義時:「天下の運慶に、神仏と一体となった己の像をつくらせる。頼朝様が成し得なかったことをしたい。」
第46話に続きます。