G7とは何のことで参加国はどこ?なぜ中国は入れず日本は脱落しないの?

国葬出席予定者 政治・経済
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「G7」という言葉があります。

ニュースなどでよく出る用語ですので、聞いたことがある方がほとんどではないでしょうか?

ですが、「日本がそれに参加しているということは知っていても、詳しいことはわからない」という方も多くおられると思いますので、その内容を簡単にまとめたいと思います。

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G7とは?

G7は「Group of Seven」の略です。

日本語に直訳すれば「7の集まり」となり、その名の通り7カ国が集まって行われる会合です。

つまりG7とは、主要な7カ国で構成される政府間の政治フォーラムのことです。

(※フォーラムとは、共通のテーマに関する情報を交換しあう会合のこと。)

現在、年に1度「G7サミット」が開催され、さまざまな国際的な問題が議論されています。

このG7サミット(首脳会議)も、条約などに基づくものではなく、もともとは臨時で招集された会合が発展して今のような形での開催に至っています。

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G7の参加国

現在のG7の参加国は次のとおりです。

  • アメリカ
  • 日本
  • イギリス
  • フランス
  • ドイツ
  • イタリア
  • カナダ

この7カ国にEU(欧州連合)が加わります。

いずれも大国で、G7の純資産を合わせると、世界の60%ほどを占めていると言われており、7カ国で世界のGDPの30~40%を占めています。

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G7の簡単な歴史

もともとは1973年の「オイルショック」がきっかけです。

世界経済に不安な状況が生まれたため、アメリカが中心となって非公式の財務大臣の会合を行いました。

その時のメンバーはアメリカ、イギリス、フランス、西ドイツ(当時)です。

この4カ国はホワイトハウスの図書室で会合を行ったため「ライブラリーグループ」と呼ばれます。

1975年、フランス大統領が「ライブラリーグループ」と日本を自国に招待し、5カ国で会議を開きます。

以後、定期的に首脳会議を行うことが決定され、「G5」が生まれます。

しかし、自国が招待されないことを不服に思ったのか、当時のイタリア首相がこの会議の場に乗り込んできます。

その結果、イタリアもこのグループに加わることになり「G6」が誕生。

そうなるとメンバーがヨーロッパに偏るため、カナダをメンバーに加えることになり、翌年に「G7」となります。

その後、冷戦が終わるとロシアもメンバーに加わるようになり、1998年からは「G8」と呼ばれるようになりますが、2014年のクリミア併合をきっかけにロシアの参加を停止する決議がなされます。

これにより2022年現在、主要国首脳会議はこの「G7」メンバーで行われています。

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G7に中国が入れないのはなぜ?

G7に大国である中国が入っていないことに疑問を持たれた方もおられるでしょう。

これはなぜなのでしょうか?

国際通貨基金(IMF)の説明によると、G7は「最も裕福な自由民主主義国であり、グループは多元主義と代議制政府という共通の価値観に基づいて公式に組織されている」としています。

少々わかりづらいですが、つまりG7のメンバーは「先進国(経済的に豊かな国)」であり、「自由で民主的な国」であり、「少数派のアイデンティティが尊重される国」であり、「国民の意思で代表者が選ばれる国」だと言っています。

中国は確かに経済大国といえますが、「自由で民主的」「少数派のアイデンティティが尊重される」「国民の意思で代表者が選ばれる」という部分に合致していないように思われます。

ロシアがG8を外されたのも「クリミア併合」という「自由で民主的」とは言い難い行動をとったことが原因です。

G7のメンバーに中国が加えられない理由は、中国の政治体制にあると言えそうです。

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日本はG7から脱落しないの?

ところで、日本はG7のうち、「労働生産性」に関して50年連続でダントツの最下位という記録を打ち立てています。

このことをもって「日本がG7から外れてしまうのではないか」との懸念を抱く声が聞かれます。

しかし、日本は2021年時点で「名目GDP」「実質GDP」はG7の中でもアメリカに次いで2位です。

日本国内の経済状況をみると、あまり良くない印象を抱くかもしれませんが、世界的に見るとまだまだかなり裕福な国だといえます。

労働生産性が低いというのは、言い換えると「効率が悪い」ということです。

そのことだけをもってG7を外されるという可能性はほぼないでしょう。

日本がG7を外れることになるとすれば、「今とは比べ物にならないほどに経済状況が悪くなったとき」か、「民主的な政治体制が機能しなくなったとき」くらいだと考えられます。

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