NHK大河ドラマ「どうする家康」の第26話のネタバレとあらすじをご紹介します。
この記事には大河ドラマの内容のネタバレが含まれています。
事前に内容を知りたくない方は、適宜読み飛ばしてください。
どうする家康ネタバレとあらすじ 第26話「ぶらり富士遊覧」
7月9日放送予定の「どうする家康」第26「ぶらり富士遊覧」話の内容です。
前回の第25話「はるかに遠い夢」では、妻の瀬名、長男・信康との別れが描かれました。
岡崎の謀反が信長の耳に入ります。
信長は家康を呼び出し、「お前が処断を決めろ」と命令を下します。
信長はハッキリとは言いませんでしたが、これは「瀬名と信康を処刑しろ」という意味でした。
家康は絶望します。
そしてなんとか2人を生かそうと動きますが、当の本人たちは覚悟を決めていました。
「謀反を企てた妻子を助けて、国を危うくするようなことはあってはならない」
信康は幽閉先の城で自害。
瀬名も家康の制止を振り切って自ら処刑されに行きます。
最後の別れだと悟った家康が泣きわめくと、瀬名は木彫りのウサギを渡して、その手に最後の口づけをしました。
瀬名:「ウサギは狼よりずっとずっと強うございます。…あなたなら、できます。」
第26話「ぶらり富士遊覧」はこの続きから始まります。
第二次高天神城の戦い
瀬名・信康の死から1年半ほど時間が経ちました。
家康たち徳川勢は、武田方の高天神城(たかてんじんじょう)を攻めています。
この城は遠江の要衝で、武田信玄さえ落とせなかった、東海一の堅固さを誇ると言われる山城です。
その城を武田勝頼が攻め落とし、今は武田の支配下にあります。
家康は、この城をなんとしても奪い返したかったため、城の周りに砦を築いて包囲。
取り囲んで兵糧攻めをしていました。
高天神城の兵たちは餓死寸前に弱っています。
武田勝頼からの援軍が来ないとわかった高天神城の城主・岡部元信(おかべもとのぶ)は、自らの命と引き換えに兵の助命を嘆願する降伏文を送りました。
しかし、これを受け取った家康は、その書状を読みもせずに火にくべてしまいました。
家康:「降伏は受け入れるなと、上様から言われておる。」
家康の無慈悲な行動に、家臣一同が黙り込みます。
平八郎:「われらも武田は憎い、されどこれは無益な殺生でござる!」
負けを認めて命乞いをしている者を殺すなど、侍の道にもとる無益な行いだと非難します。
家康:「無益ではない」
敵が無惨に死ねば死ぬほど、援軍を送らなかった勝頼の信用はなくなり、武田は崩壊していく…
嫌ならかえって良いと家康ははねつけました。
家康:「上様の命令じゃ。奴らを皆殺しにせい!」
家康は平然とした顔で命じますが、どこか無気力のようにも見えます。
結局、高天神城の兵たちは餓死する前に城から打って出てきました。
そして、壮絶な戦いののち、岡部元信とその兵らは玉砕。
家康の思惑どおり、この戦いが武田の信頼を致命的に失墜させることになります。
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家康の変化
瀬名と信康を失って家康は変わってしまった…
家臣のほとんどは家康に同情的でしたが、平八郎と小平太は家康が腑抜けになったように見えてしかたありません。
平八郎:「信長の足をなめるだけの犬になりさがったのかもしれん!」
平八郎としては、信長の言うことに従ってばかりいる家康が許しがたかったのでしょう。
その平八郎を大久保忠世がたしなめます。
忠世:「伊賀国を見よ、服従せぬ伊賀者は根絶やしじゃ。今の上様には誰も逆らえん!」
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この少し前、信長はそれまで独立を保っていた伊賀を攻め、支配下に置いています。
伊賀国はその4年前、信長の次男・織田信雄(おだのぶかつ)が父に無断で侵攻し、こっぴどく返り討ちにあっていました。
8000の信雄軍に対し、伊賀の戦力は1500ほど。
しかし、伊賀の国は忍者の里。
攪乱作戦や奇襲によってわずか2~3日で重臣を討ち取り、敗走させるまで信雄軍を追い詰めました。
これを知った信長は、10万以上とも言われる大軍を投入して伊賀を攻めます。
結果、伊賀の人口の3分の1にあたる3万人あまりが命を落としたと言われます。
比叡山延暦寺の焼き討ちにせよ、石山本願寺との泥沼の戦にせよ、信長は神仏すら恐れません。
彦右衛門:「そうじゃ、殿は、賢くなられたんじゃ」
彦右衛門が家康をかばうと、
平八郎:「結構なこった」
そう吐き捨てて、小平太とともに立ち去っていきました。
武田の最後
翌年、織田・徳川は、ついに武田勝頼との最終決戦に挑みます。
甲斐国へ侵攻を開始すると、多くの武田家家臣が寝返って逃げ出し、ひと月ほどで武田の本拠地だった躑躅ヶ崎館まで到着しました。
少し前に本拠地は移転していたので、ここで勝頼と戦う事はありませんでしたが、館は跡形もなく破壊されていました。
???:「お待ち申し上げておりました、徳川殿」
かつて築山に出入りしていた武田家の重臣・穴山梅雪が武士の一団を従えて待っていました。
梅雪:「この穴山梅雪、お約束どおり、織田様と徳川様のために力の限りを尽くす所存にございまする。」
家康:「よくぞご決断くださった、礼を申し上げます。」
そこへ彦右衛門、平八郎らの家臣がやってきました。
勝頼が討ち取られたーーー
この報告に梅雪は涙をながします。
最後にあったとき「すべては我が身一つで背負えば良いこと、たとえ1人になろうとも、5万の敵を打ち払ってみせようぞ」…そういって槍を手に悠々と去っていったと梅雪が話しました。
勝頼は40人ばかりの手勢を引き連れ、織田軍に戦いを挑んで散っていきました。
武田勝頼は、父・信玄に劣らぬ名将でした。
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恨んでいるのは…?
ようやく皆の仇が討てた、と彦右衛門と七之助が酒を飲みながら、むせび泣いていました。
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瀬名、信康、本多忠真、夏目浩次…彼らの顔が次々に浮かびます。
しかし、平八郎と小平太は不服そうでした。
平八郎:「討ち取ったのは織田じゃ。我らではない。」
家康は織田に花をもたせるために、徳川勢に勝頼を討たせなかったのです。
平八郎:「どこまで織田の足をなめるのか…」
そんな家臣の心を知ってか知らずか、家康は穴山梅雪を連れて、信長の本陣を訪れていました。
家康:「上様!見事勝頼を討ち取り、武田を滅ぼされたこと、心よりお喜び申し上げまする!」
家康が祝の口上を述べ、梅雪が挨拶代わりの品々を献上します。
その後、信長が小姓に首桶を持ってこさせると、近くにいた明智光秀がそれを開けて家康に差し出します。
光秀:「さあ、お待ちかね、武田当主の哀れなる姿をとくと御覧じろ」
中にあるのは勝頼の首です。
積年の恨みを込めて、気の済むまで蹴るなり踏みつけるなりしろと家康に言います。
家康:「…恨んではおりませぬゆえ」
すると信長が、意味ありげな視線を家康に向けました。
信長:「お前が恨んでいるのは別の誰かか?」
家康:「…なんのことでございましょう?」
家康が苦笑いすると、すかさず石川数正が口をはさみました。
数正:「ときに上様、安土城へのおかえりの日取り、既にお決まりでしょうや?」
武田が滅んだ今、織田の世は揺るぎないものになった…その祝いを徳川にさせてほしい―――
数正の申し出に、信長は好奇心を動かしました。
もてなしの旅
街道の要所要所で信長をもてなし、富士の絶景を堪能してもらいながら悠々と安土城へ帰っていただく…
家康は一部の家臣とこの計画を進めていました。
人を楽しませることが得意な側室の於愛や、商人・茶屋四郎次郎の助けをかりて、信長のもてなしが始まります。
しかし、徹底的に準備された名所や名物に、信長はさっぱり興味を示しません。
計画がどんどん前倒しになり、用意が間に合わなくなって家臣一同はてんてこ舞いです。
なんの話も知らされないまま手伝いを命じられた平八郎と小平太は、ここで堪忍袋の緒が切れます。
平八郎:「やってられん、帰る!」
これ以上、信長に媚びへつらう主君を見たくありませんでした。
平八郎:「なんのためにお二人はご自害なさった?お二人が報われん、そう思いませぬか?」
怒りをぶちまける平八郎を、於愛が突然ドン!と突き飛ばしました。
於愛:「殿が、どんなお気持ちで上様をもてなしておられるか…お前たちにわかるのか…」
いたたまれなくなった於愛が立ち去ります。
無言で立ち尽くす平八郎と小平太に左衛門尉が語りかけます。
左衛門尉:「殿には深い考えがおありなのだと、わしは信じておる。」
…朝駆けのあと、富士の裾野で茶を飲みながら、「安土に来い」と信長が笑顔で言います。
信長:「家康よ、愉快であった。今度は俺がもてなす。」
家康:「恐悦至極にございます!」
こうして家康は、信長のもてなし旅を大成功のうちに成し遂げました。
家康の本心
…夜、家康は薬を煎じています。
そこへ服部半蔵がやってきて報告しました。
半蔵:「殿、伊賀から逃れてきた者を100人ばかり匿っています。皆、信長に強い恨みを持っています。いつでも使えるよう、手懐けておきます。」
家康は薬を煎じる手を止めず、返事もしないまま半蔵の話を聞きました。
薬の煎じ方は瀬名に習いました。
こうしていると、瀬名との思い出が蘇ってきます。
半蔵が去ってしばらくすると、数正、左衛門尉、平八郎、小平太、万千代、忠世、彦右衛門、七之助といった重臣たちが家康のもとに押し寄せてきました。
左衛門尉:「殿、そろそろお心の内を打ち明け下さい。」
変わってしまった家康の本心を家臣皆が知りたがっていました。
家康:「わしもそろそろ話そうと思っていた…閉めよ」
外に話が聞こえないように戸を示させると、家康は顔色を変えずに言い放ちました。
家康:「信長を殺す―――」
第27話に続きます。