5月1日に、林芳正外務大臣がモンゴルの首都ウランバートルで、モンゴルのバトツェツェグ外相と会談を行いました。
林外相は国際社会と連携してロシアの非難を強めるように求めましたが、モンゴル側は慎重姿勢を示したそうです。
ロシアとモンゴルの関係はどのようなものなのでしょうか?
ロシアとモンゴルの関係は?
ロシアとモンゴルの関係は、ロシアがソ連だった時代から強固で、現在でも同盟国です。
ロシアによるウクライナ侵攻が起こる前のデータですが、ロシアに対して好意的な見方をするモンゴル人はおよそ90%いると言われています。
モンゴルは中国・ロシアとは隣国です。
モンゴルと中国とは「万里の長城」建設に見られるように、対立を繰り返していました。
近世の中国の拡張主義を恐れたモンゴルが助けを求めた先がソビエト連邦でした。
そのため、中ソ対立の際は、モンゴルはソ連の味方をし、ソ連の影響を強く受けています。
現在においてもモンゴルとロシアの関係は良好と言われています。
なお、現在においては中国とモンゴルの関係も改善し、中国は「モンゴルの最大の貿易相手」となっています。
モンゴルと日本の関係は?
モンゴルと日本の関係はどうでしょう?
蒙古襲来以降、長い間日本とモンゴルには接点がありませんでした。
日本が日清戦争に勝利して清が崩壊すると、清の支配を受けていたモンゴルは独立します。
このときに日本とモンゴルは共に国交を結ぼうとしていますが、それは失敗に終わっています。
その後1939年に「ノモンハン事件」が起きてからは、モンゴルの人たちには反日感情が芽生えます。
戦後の交渉を経て、日本の総理大臣が初めてモンゴルを訪問したのが1991年のこと。
比較的近い距離にありながら、それまでは正式な国交を結ぶことはありませんでした。
現在では「相撲」「日本車」などの人気から、日本を好意的に捉えるモンゴル人が増えています。
モンゴルは中国・ロシアとの関係を維持しながら、日本・アメリカとも良好な関係を築いている国だと言えそうです。