ロシアがウクライナとの国境付近に軍隊を集結させているというニュースが流れています。
これはなぜなのか、細かいことを省いて簡単にわかりやすく説明します。
(※なお、単純にするため、厳密な正確さは捨てていますのでその点はご了承ください。もう少し細かい説明はこちらの記事をご覧ください。)
こちらは現在のキエフの様子です:ウクライナ首都キエフのライブカメラ
目次
ロシアがウクライナに侵攻しようとしている理由をわかりやすく言うと
ロシアがウクライナに侵攻した理由は、「ウクライナに敵になって欲しくないから」です。
ロシアとウクライナは隣同士の国です。
隣の国が敵側についたら、ロシアにとっては脅威です。
だから、「敵になるくらいなら自分たちで支配してしまおう」とウクライナに侵攻した状態、これが今のロシアとウクライナの間に起きている戦争です。
ロシアのウクライナ侵攻はウクライナのNATO加入を阻止するため
ここからは先程の話を少し具体的にして説明します。
「ウクライナが敵になってほしくない」とは、実際には「ウクライナにNATOに入って欲しくない」ことを意味します。
NATOとは、第二次世界大戦後のアメリカとロシアの冷戦時代に作られた同盟で、アメリカなどを中心とした勢力です。
つまり、ロシアから見れば敵対勢力とも言える軍事同盟がNATOです。
実際にロシアは「NATOはロシアのことを敵国とみなしている」と認識しています。
このNATOに隣国のウクライナが加入するとなれば、すぐ隣に敵の軍隊が配備されるかもしれません。
ウクライナにNATOのミサイルが配備されれば、ロシアの首都モスクワがその射程圏内に入るとされています。
これはロシアにとっては怖い状況です。
そうならないため、ウクライナにはNATOに入らないように呼びかけていました。
ですが、現在のウクライナ政府はロシアよりヨーロッパ各国との仲を重視しており、NATOへの加入を望んでいます。
ロシアとウクライナの衝突
ウクライナは「NATOに入りたい」、ロシアは「ウクライナにはNATOに入ってほしくない」と完全に意見が食い違っています。
そこでロシアは力ずくでウクライナのNATO加入を阻止しようと、ウクライナとの国境近くに軍隊を整備しました。
その軍隊の数は圧倒的で、侵攻すれば数日でウクライナを支配してしまうことができると言われていました。
また、ロシアはアメリカなどのNATO加盟国に「ウクライナをNATOに加盟させないでくれ」という要求を出しました。
しかし、この要求はNATOから拒否されています。
「NATOに加盟しようとするのはその国の自由なので、一定の条件を満たしていれば拒否する理由がない」というのが、各国がロシアの要求を拒否した理由です。
そして2月24日、ついにロシアの軍隊はウクライナに侵攻を開始しました。
当初予想されていたよりもウクライナ軍の抵抗は激しく、数日で制圧されると言われていた首都キエフも2週間以上ロシア軍の攻撃に耐えています。
現在、両国の間で停戦交渉が開かれていますが、なかなか合意を得ることが出来ていません。
ロシアのウクライナ侵攻で世界はどうなる?
これは、一概にどうなるとは言えません。
かなり色々なパターンが考えられます。
このままロシアがウクライナを制圧してしまう事も考えられます。
ウクライナは実質的にロシアの一部となるかもしれません。
ロシアがウクライナに傀儡政権(かいらいせいけん)を樹立させる可能性も高いです。
あるいは、今後NATOが介入すると、ウクライナ対ロシアではなく、NATO軍対ロシアの戦争になりますので、規模の大きな戦争になる恐れもあります。
特に、アメリカが本格的に参戦してきた場合、ロシアとアメリカが全面的に戦う事態にならないとも限りませんので、そうなってしまえば第三次世界大戦が起きてしまうかもしれません。
ウクライナとロシアの衝突は、その引き金になりかねない重大な問題であると言えます。
ロシア軍が早期に撤退することが、どの国にとっても一番いい解決策です。
それはロシアにとっても同じはずです。
ですが、ロシアは交渉の席で強気の要求を取り下げる気配がありません。
各国は経済制裁によってウクライナを支援し、ウクライナは徹底抗戦でロシア軍を足止めしています。
しかし、援軍が期待できない以上、ウクライナがいつまで持つのかわかりません。
今後、ロシアの攻撃は激しさを増していくことが予想されます。
時間が経てばどちらの勝利で終わったとしても被害は拡大する一方です。
一刻も早い終戦を世界中が望んでいます。