5月9日に予定されているロシアの軍事パレードの予行演習が行われ、その様子が公開されています。
このなかで「イリューシン80」という飛行機が注目を集めています。
イリューシン80とは?
イリューシン80は、「終末の日の飛行機」と呼ばれている航空機です。
地上で指揮を取れなくなった際に、軍事の指導者が搭乗して指示を出すための飛行機です。
旅客機を改造して出来たため、見た目は普通の旅客機と同じです。
映像では分かりづらいかもしれませんが、前方についたコックピットの窓以外、窓はついていません。
これは搭乗者を守るためであり、飛行機の中にある機材を電磁波などの攻撃から守るためだとされています。
「終末の日」のアピール?
イリューシン80が「終末の日の飛行機」と呼ばれているのは、地上で指揮が取れなくなった場合に、大統領が軍に指示を出すために搭乗するという目的があるからです。
この「地上で指揮が取れなくなった場合」とは「核戦争が起きた場合」を想定しています。
「大統領がクレムリンで指示を出せない場合→モスクワが核攻撃を受けた場合」ということです。
戦勝記念パレードに「イリューシン80」が登場するのは、2010年以来、12年ぶりのことです。
このため、わざわざ「終末の日の飛行機」と呼ばれる航空機を飛行させるのは、世界各国に「終末の日」をアピールする意図があるのではないかと言われています。
つまり、ロシアは「核戦争が起きるかもしれないよ」と世界に向けて警告をしているということです。
今までロシアのプーチン大統領は「核の使用を示唆する発言」を何度かしてきました。
今回も軍事パレードの様子を公開することによって、各国に警告を発信し、経済制裁の解除やウクライナへの武器の供与をやめるようにプレッシャーをかけているものとみられます。