ドイツの「シュタインマイアー大統領」が、ウクライナを訪問しようとして、ウクライナ側から拒否されたことが話題となっています。
ドイツと言えば、代表は「ショルツ首相」のイメージが強く、大統領を知らなかった人もおられるかもしれません。
ドイツには大統領と首相がいる
ドイツには大統領も首相もいます。
これは他の国と比べてあまり珍しいことではありません。
ロシアも大統領と首相がいて、ロシアのプーチン現大統領は前首相でもあります。
ただし、ロシアは「大統領が政治の代表者、首相はその下のポジション」という位置付けですが、ドイツの仕組みはそうではありません。
ドイツの大統領と首相のそれぞれの役割は?
ドイツの大統領は国家元首で、儀礼的・形式的な役割のみを担っています。
政治的には中立でなければなりません。
対して首相は行政のトップです。
ドイツという国の実質的なリーダーは首相です。
少々異なる点もありますが、日本で例えれば大統領が「天皇」、イギリスなどでは「国王(女王)」、首相は「首相」のイメージです。
ドイツの大統領が「天皇」や「国王」と大きく異なる点は、任期があるという点です。
ドイツ大統領は5年で任期を迎えます。
ウクライナが大統領を拒否した理由は?
ドイツの大統領は政治に関わらない「名誉職」としての意味合いが強いので、「大統領を拒否して首相は拒否しない」というウクライナの態度が不思議に見えるかもしれません。
これには理由があって、シュタインマイアー大統領は、以前ドイツの外相だった時期があります。
簡単に言えば、その外相の時にロシアと仲が良かったため、ウクライナ側が反感を持ったということです。
2014年にドンバス戦争が起きた当時、シュタインマイアー氏は外相でしたが、ロシアに対して強硬姿勢を取ることはありませんでした。
シュタインマイアー氏は外相時代、親露政策をとったので、ロシアに侵攻されているウクライナとしては受け入れることが出来なかったのでしょう。
なお、ショルツ首相に関しては、ゼレンスキー大統領がウクライナ訪問を求めており、ドイツとウクライナの仲が決定的に悪いというわけではありません。