ロシア軍が撤退した後のウクライナ首都キーウ(キエフ)周辺の都市では、多数の民間人の遺体が発見されました。
キーウ周辺の「ブチャ」の住人であるとされる方がメディアのインタビューに応えたところによると、「ロシア軍が街を占領してから2週間後くらいに新たに加わった年配の部隊」が残虐な行為を行ったとされています。
この「新たに加わった部隊」はFSB(ロシア連邦保安庁)ではないかと見られています。
FSB(ロシア連邦保安庁)とはどんな組織?
FSB(ロシア連邦保安庁)とは、諜報活動・犯罪対策を行うロシアの治安機関です。
かつて存在したソ連のKGBというスパイ組織の後身組織です。(関連記事:KGBとは?)
つまり、FSBは「現在のロシアのスパイ組織」とも言える組織です。
そういった組織なので詳細はわかりませんが、ドイツの情報機関によると「FSBの人員は35万人ほど」とされています。
現在の長官は「アレクサンドル・ボルトニコフ氏」です。
ボルトニコフ氏は、前ロシア大統領でプーチン大統領の後継者ともされる「メドベージェフ氏」の片腕とされる人物です。
残虐な行為を行ったのはFSBの可能性
先のインタビューに応えた「ブチャの住民」の話によると、ロシア軍がブチャを占領した当初は若いロシア兵ばかりだったそうです。
その2週間後くらいに40代以上とみられる年配の兵士が加わり、その兵士らが残虐な行為を始めたとのことです。
住民が若いロシア兵に聞くと、新たに加わったのはFSBの職員で、とても暴力的な特殊部隊だと教えてくれたそうです。
彼らは非常に荒っぽく、住民の移動を禁じたり、男性の外出を禁止したりしました。
それから虐待や虐殺が行われるようになったと先の住人は証言しています。
また、ブチャにはもともとウクライナ軍が配備されておらず、武器を持たない地元の民間警備員が防衛のようなことを行っていたそうですが、ロシア軍が来るとその警備員たちも逃げてしまったとのことです。
この住民の話が真実ならば虐殺行為を行ったのはFSBであり、虐殺されたのは民間人である可能性が高いということが言えます。
情報源が「報復を恐れ匿名で応えた住民とされる方のインタビュー」であるため、そのまま100%真実であると断言はできませんが、「今回の虐殺はロシアの正規軍ではなく他の特殊部隊の命により行われたかもしれない」という可能性が浮上しています。