NHK大河ドラマ「どうする家康」の第25話「はるかに遠い夢」のネタバレとあらすじをご紹介します。
この記事には大河ドラマの内容のネタバレが含まれています。
事前に内容を知りたくない方は、適宜読み飛ばしてください。
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どうする家康ネタバレとあらすじ 第25話「はるかに遠い夢」
7月2日放送予定の「どうする家康」第25話「はるかに遠い夢」の内容です。
前回の第24話「築山へ集え!」では、瀬名と信康の謀反の真意が明かされました。
築山に関する悪いウワサが家康の耳に入ると、家康はそれが本当なのかどうか確かめようとします。
なんとかそのウワサが信長の耳に入る前に手を打とうとしますが、信長は家康よりも先にその話を知っていました。
内密に解決することができなくなった家康は、服部半蔵を派遣し、築山の様子を探らせます。
その半蔵からの報告で、穴山梅雪などの武田家の重臣が何度も瀬名や信康の元を訪れていることを聞かされました。
武田と内通していることがほぼ確定したため、家康は兵を集めて築山に乗り込みます。
すると以外にも、瀬名と信康は家康たちを迎えるように待っていました。
そこで家康は、瀬名の真意を知らされます。
織田信長が成し遂げようとしている天下統一…
その信長に負けない東国の勢力を築き上げ、信長と対等な関係をつくって、世の中から戦を失く
第25話「はるかに遠い夢」はこの続きから始まります。
残酷な下知
激しい夕立に見舞われたある日のこと、家康は信長に呼び出されていました。
家康は、ひどく青ざめた顔で、濡れた地面にひざまずき、深々とひれ伏しています。
家康をじっと見つめる信長の横で、信長の重臣・佐久間信盛が話し始めました。
佐久間:「岡崎にて謀反との噂あり」
…ずっと恐れていたことが、ついに現実となってしまいました。
信長は立ち上がると、伏したまま震える家康に向かって言いました。
信長:「お前の家中のことじゃ、俺は何も指図せん。お前が決めろ。」
これ以上ない残酷な命令が下されます。
信長:「間違っても、己自信の幸せなど望むな」
つまりこれは、「信康と瀬名を家康自身が処刑しろ」という意味でした。
信長はかつて実の弟を殺め、織田の家督を継ぎました。
そのおかげで今の織田家がある…
佐久間が家康に詰め寄ります。
佐久間:「家康殿、何をせねばならぬか、分かっておられるでしょうな?」
家康はずぶぬれのまま、絶望の中で身動きができずにいました。
家康の選択
信康:「私が腹を切ります。」
まるで覇気のない姿で築山にやってきた家康に対し、信康は静かに言いました。
信康:「それで全て済みます。」
家康:「ならん!」
信康:「では、どうするのですか?」
家康:「…信長と手を切る」
それができないことは家康も十分わかっていました。
ですが、どうしても理性より感情が勝ってしまいます。
家康:「お前を死なせるくらいなら、わしが腹を切る!」
信康:「それこそ徳川が滅ぶことでござる!」
いつのまにか信康は一国の主にふさわしいくらい、器の大きな男に成長していました。
「私達がすべての責任を負う」と瀬名は、穏やかに、しかしきっぱりと言いました。
生半可な処断をすれば、信長の不信を買ってしまう…忠誠心を十分に示さなければならない、と。
瀬名:「殿、なんなりとご処断くださいませ」
瀬名と信康は、達観した眼差しで家康の前に伏しました。
家康は思わず背を向け、苦渋の表情を浮かべます。
どうにか2人を救う手立てはないものか…
家康:「そなたらは、わしの愛する妻じゃ…自慢の息子じゃ…死なせるものか!」
家康の目に狂気が宿りました。
家康:「断じて死なせはせん!」
家康は家族を引き寄せ、策を話します。
家康:「信長を…世を欺く」
「12か条の訴状」
数日後、左衛門尉が五徳の書状を信長に届けました。
その書状は、瀬名と信康の2人に関する悪行を報告する訴状でした。
信長:「で、いかに処断する?」
左衛門尉:「…築山殿、信康様、ともにご自害していただく所存にございます。」
信長:「…家康がそう決めたのか?」
信長はしばらく探るような目を左衛門尉に向けていましたが、やがて「存分にせい」と言い残して立ち去りました。
岡崎城・築山からの旅立ち
処罰を受けるため、信康が岡崎城を離れる日がやってきました。
七之助:「…お迎えでございます」
支度を整えた信康はうなずき、まだ幼い2人のわが子の頭を愛しそうになでると、五徳に言いました。
信康:「五徳、娘たちを頼むぞ。いつでも織田家にもどるがよい。」
信康は微笑むと、決意に満ちた表情で岡崎城を去っていきました。
それから20日ほど後のこと、瀬名は華やかな着物を着て縁側に座っていました。
やがて石川数正、彦右衛門などの一行が迎えにやってきます。
瀬名は立ち上がって棚に飾ってあった「木彫りのウサギ」を手に取ると、大事そうに懐に収めて言いました。
瀬名:「数正、そなたには大層世話になった。達者でな。」
参ろう、と彦右衛門を促す瀬名を数正が呼び止めます。
数正:「…どうか、殿のお指図どおりに…」
瀬名は何も答えず、ただ微笑みました。
…その後
信康と瀬名は、家康が立てた2人を救う策を拒みました。
妻子との別れ
岡崎を離れて1ヶ月と少し経った頃、遠江の二俣城に幽閉されていた信康が自害しました。
「わが首を信長に届けよ、信康は見事に務めを果たしたと父上に伝えよ」
そう言い残して亡くなりました。
とうとう信康までも―――
家康はもはや立ち上がる気力さえ失っていました。
―――信康自害の半月ほど前、家康は浜松にある湖のほとりで瀬名と会っていました。
家康:「死んではならん、生きてくれ!」
しかし、瀬名はゆっくりと首を横に振ります。
瀬名:「…それはできませぬ」
信長や世間を欺けるわけはない
己の妻子を助けるために国を危うくするなど主のやることではない
瀬名は家康を諭します。
瀬名:「私達は、確かに死ななければなりませぬ。」
家康:「…嫌じゃ」
かつて織田と始めて手を結んだあの時、家康は妻子を見捨てました。
瀬名と子供たちを今川から取り戻すことができたとき、家康は何があろうとも妻子を守っていくと心に誓っていました。
家康:「守らせてくれ…」
瀬名:「あなたが守るべきは、国でございましょう。」
―――いつか大切なものを守るために、命をかけるときがくる。
母の別れ際の言葉を瀬名はずっと胸に刻んでいました。
今がその時―――
きっとあの世で父も母も「よくやった」と褒めてくれるでしょう。
瀬名:「すべてを背負わせて下さいませ」
家康:「世の者どもは、そなたを悪辣な妻と語り継ぐぞ…」
瀬名:「平気です。本当の私は、あなたの心におります。」
瀬名がそっと家康の胸に手を当てます。
家康はたまらず泣き出し、瀬名を力いっぱい抱きしめました。
瀬名:「相変わらず、弱虫泣き虫はなたれの殿じゃ」
瀬名は苦笑します。
けれど、そんな家康が瀬名は大好きでした。
今川家の凛々しい若君や、まさに天下を手に入れようとしている魔王でさえ、家康には遠く及ばない…
瀬名は、懐の木彫りのウサギを取り出し、家康に握らせて言いました。
瀬名:「よいですか?ウサギは強うございますよ。狼よりもずっとずっと強うございます…あなたなら、できます。」
木彫りのウサギを握りしめた家康のその手に、瀬名は最後の口づけをしました。
第26話に続きます。
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