日本政府はロシアの侵攻を受けているウクライナへの支援として、防弾チョッキなどの装備品を提供するため、「防衛装備移転三原則」の運用方針を改定することを決めました。
防衛装備移転三原則とは
防衛装備移転三原則とは、「日本政府の武器輸出に関する運用原則」のことです。
法律で定めれているものではなく、閣議決定にて運用されている政府方針です。
平成26年4月1日に国家安全保障会議で決定され、同日に閣議決定されました。
3つの原則とは、
- 移転を禁止する場合の明確化
- 移転を認め得る場合の限定並びに厳格審査及び情報公開
- 目的外使用及び第三国移転に係る適正管理の確保
を指します。
武器輸出三原則との違い
防衛装備移転三原則ではなく、「武器輸出三原則」という言葉を聞いたことがある方も多いかも知れません。
武器輸出三原則は防衛装備移転三原則の前身です。
武器輸出三原則に代わるあらたらな運用方針として防衛装備移転三原則が制定されました。
「武器輸出三原則」では、基本的に武器の輸出や、他国との兵器の共同開発は認められませんでした。
仮にこういった必要があった場合、その都度例外規定を設けて対応がされていました。
それに対し、「防衛装備移転三原則」は、武器の輸出入を基本的に認め、その上で厳格な審査や禁止の場合の規定を設けています。
なお、現在のところ防衛装備移転三原則に基づいて、海外に防衛装備の移転が承認されたのは、「アメリカに対するミサイルの部品の輸出」と「イギリスとのミサイルの共同研究」の2件にとどまっています。
政府は今回のロシアのウクライナ侵攻を受け、ウクライナに対し防弾チョッキやヘルメット、防寒服、テント、カメラ、衛生資材、非常用食糧、発電機などを提供する予定です。