アベノマスクの未配布分の存在が明らかになったとのニュースが流れています。
あまり使っている人を見ないアベノマスクですが、結局どのくらいの費用をつぎ込んだのでしょうか?
当初は466億円、後から260億円に修正
2020年4月1日に当時の安倍晋三首相から「全世帯に2枚ずつ布マスクを配布する」政策、いわゆるアベノマスクの配布が発表されました。
当初、アベノマスクを全世帯に配布すると発表されたときは、政府の発表で466億円が必要とされていました。
ところが、このアベノマスクは猛批判を受け、結果的に長年高支持率を保っていた安倍首相が退任するきっかけの1つにもなっています。
当時アベノマスクの報道を見た人の中には、エイプリルフールのネタと思った人もいたのではないでしょうか?
ある世論調査では、「評価しない」との声が73%にも上りましたが、マスクの配布は強行されました。
その批判を受けてなのか、6月1日には配布費用を260億円とする発表がなされました。
当初の半額近くに圧縮される形となりました。
なお、一枚あたりの単価については公表されていません。
115億円相当が未配布、保管に6億円以上の経費
2021年10月、会計監査員の調査によってこのアベノマスクのうち、115億円分相当(国が調達した布マスクの約3割)が未配布の状態で倉庫に保管されていることが判明しました。
これを保管するため、2020年8月から2021年3月までに約6億円の費用がかかっていることも明らかになっています。
(公式発表はありませんが、9ヶ月で6億円かかるなら、単純に計算して2021年4月から10月までで、さらに約4億6700万円ほどの費用がかかっているはずです。)
保管されていたのは、全世帯向けのアベノマスク約400万枚と、福祉施設向けや妊婦向けなどの約7900万枚の計約8300万枚だということです。
なぜ配らなかったのでしょうか?
配布されたアベノマスクは、2020年の8月時点で使用率が3.5%だとされています。
配布が概ね完了した2020年6月下旬に行われた世論調査でも約81%が「役に立たなかった」と答えています。
また、配布が完了したくらいのタイミングでちょうど「不織布マスク」が店で買えるようになっていました。
「調達したけど、誰も布マスクを欲しがらないから、配らずにとりあえず取っておいた」ということでしょうか。
しかし、それではなぜ処分しなかったのでしょうか?
東京オリンピックが終わった時に、余った不織布マスクや消毒液は廃棄処分したはずです。
アベノマスクはなぜ少なくない費用をかけて保管しているのでしょう?