人の一生は重荷を負て遠き道をゆくが如し…
有名な言葉なので、一度は聞いたことがあるかもしれません。
こちらの記事では、徳川家康が遺したとされるこの名言を取り上げたいと思います。
徳川家康の有名な名言
徳川家康の名言、短いですので全文を記載します。
人の一生は重荷を負て遠き道をゆくが如し いそぐべからず
不自由を常とおもへば不足なし
こころに望みおこらば困窮したる時を思い出すべし
堪忍は無事長久の基、怒りは敵とおもへ
勝事ばかり知りてまくることしらざれば害其身にいたる
おのれを責めて人をせむるな 及ばざるは過ぎたるよりまされり
東照宮御遺訓
「人の一生は…」を言った場面
この名言は、家康の遺訓(東照宮御遺訓)と呼ばれる言葉です。
家康が征夷大将軍を退任するにあたり、後継者への指針を示したものと伝わります。
ということは、本来この言葉は、徳川家康が息子である徳川秀忠を始め、代々将軍職を継いでいくであろう子孫たちに対してした忠告ということです。
当時、家康の側に仕えていた本多正純と、2人の僧侶が家康が書いたことを確認したとされています。
徳川家康の名言「人の一生は…」の意味
以下に「家康の遺訓」の意味を、噛み砕いた表現で掲載します。
人の一生は、重い荷物を背負って長い道のりを進むようなものです。
ですから、急いで進んではいけません。
不自由が当たり前だと考えれば、不満は生じません。
心に欲望が湧いたときは、つらかった経験を思い出すことが大切です。
忍耐することは、長く平和で安心していられる基礎です。「怒り」は敵と考えるべきです。
勝つことしか知らず、負けを経験しないことは危険です。
自分の行動に反省し、他人を責めることは避けましょう。
足りない方が、やりすぎてしまうよりも優れています。
孔子は「論語」の中で、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」(やり過ぎるのは、及ばないのと同じくらい良くない)と言っています。
家康はそこから一歩進んで、「やり過ぎより足りない方が良い」としています。
これは、いろんな解釈が可能ですが、例えば
「驕り高ぶってやり過ぎるより、足りなくて悪戦苦闘している方が良い」
「不足している場合、周りの人に助けを求めることができ、もし間違いに気づいたときは修正することもできる。しかし、過度な状態では、後戻りできない。」
という意味にとらえられます。
なんとなく、家康らしい言葉だと思いませんか?