ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は、ロシア軍がドネツク集のマリウポリで地中貫通爆弾を使用したとして非難の声をあげています。
この地中貫通爆弾(バンカーバスター)とはどのような兵器なのでしょうか?
地中貫通爆弾(バンカーバスター)とは
地中貫通爆弾(バンカーバスター)とは、地下の目標物などを破壊するため、コンクリートや盛土を貫通して爆発する爆弾です。
航空機から投下するタイプの爆弾で、通常の爆弾よりも表面が固く、重くなっています。
自然な落下の速度を利用して遮蔽物を貫通するのが通常ですが、なかにはロケットブースターを使って落下速度を更に上げ、貫通性能を向上させたタイプの地中貫通爆弾も存在します。
地中貫通爆弾の仕組みと威力
地中貫通爆弾の仕組み
地中貫通爆弾は、仕組みとしてはごく単純です。
簡単に言えば、空から落とした時に地面にめり込みやすいような形状で造られた爆弾です。
また、地面やコンクリートを貫通した段階で爆発するように設計されています。
「体積を重くする」「ロケットブースターを使用する」などして落下速度や地面にあたったときの衝撃を大きくします。
そのうえで、「表面が硬い」「形状が細長い」ため、地面やコンクリートにめり込みやすくなっています。
つまり、「普通の爆弾より硬く重い爆弾」というわけで、「地面にあたった瞬間に弾頭が切り離されてブースターが作動する」などといった特殊なものではありません。
地中貫通爆弾の威力
地中貫通爆弾の威力は、「自由落下」で土(粘土層)を30m、「ロケットブースター使用」で鉄筋コンクリートを約7m貫通すると言われています。
7mといえば、サッカーゴールの横幅くらいですので、その厚さの鉄筋コンクリートを突き破るとなると、結構な高威力であることが窺えます。
現在では、「地中貫通爆弾の弾頭に核兵器を使用した兵器」の開発計画があるとされていますが、実在するのかどうか定かではありません。