大河ドラマ「光る君へ」では、まひろが文字を教えていた「たね」が、亡くなる寸前まで「あめつち詞(ことば)」をつぶやいています。
この、まひろが教えた「あめつち詞」とは一体どんなものだったのでしょうか?
あめつち詞(ことば)とは?
あめつち詞とは、仮名(ひらがな)を練習するために使われたとされる「お手本のことば」だとされています。
「いろは歌」のようなものをイメージするとわかりやすいかもしれません。
その内容は次のようなものです。
あめ つち ほし そら やま かは みね たに くも きり むろ こけ ひと いぬ うへ すゑ ゆわ さる おふせよ えのえを なれゐて
あめつちの詞
これを見てわかるように、最後の「おふせよ」「えのえを」「なれゐて」は意味不明な言葉ですが、一般的に「生ふせよ 榎の枝を 馴れ居て」と解釈されています。
(※「かは」は「川」、「むろ」は「室」、「うへ」は「上」、「すゑ」は「末」、「ゆわ」は「硫黄(ゆわう)」のこと)
あめつち詞は平安時代に生まれたとされます。
いろは歌には仏教的な内容が含まれるとされており、それを嫌った人たちがあめつち詞を使っていたとする説が存在します。
言葉の練習に使われたとされていますが、「漢字のアクセントを習得するためのもの」だとする説も存在するなど、実際には詳しいことがわかっていません。
紫式部は子供に文字を教えていたの?
紫式部が子供に文字を教えていたというエピソードは残っていません。
そのため大河ドラマでのシーンは、想像上のシーンだと思われます。
また、ここから先は余計なお世話な話になりますが、当時は仮名を練習するための歌として「なにわづ」や「あかさやま」という歌が存在しました。
源氏物語にも、「まだ『なにわづ』もまともに書けないような幼い娘」というような話が出てきます。
このころは仮名を教えるのに、そういった和歌を使っていたみたいですが、「あめつち詞」のほうが見ていて圧倒的にわかりやすいため、ドラマで採用されたのではないかと思われます。
まとめ
あめつち詞は「いろは歌」のようなもの(?)
仮名や漢字の読みのアクセントの練習に使われたとされている
最後のほうが意味不明
以上、あめつち詞についてでした。
関連記事:たねは実在?