2023年の大河ドラマ「どうする家康」の第2話「卯と狼」のネタバレとあらすじをご紹介します。
この記事には大河ドラマの内容のネタバレが含まれています。
事前に内容を知りたくない方は、適宜読み飛ばしてください。
どうする家康ネタバレとあらすじ 第2話
1560年、駿河の今川義元と尾張の織田信長の間で戦が起こります。
この戦いに今川方として参加した松平元康(※のちの徳川家康)は、織田方に囲まれた味方の大高城に兵糧を運び入れるという役目を見事に果たします。
しかし、その直後に総大将の今川義元が桶狭間で討ち取られ、今川軍は敗走。
大高城に入った元康ら三河勢は、敵の真っ只中に残されることになりました。
「城を捨てて逃げるか・籠城して戦うか」
元康はどうすればいいのかわからず、混乱して叫びます。
元康:「わしはどうしたらええんじゃあああ!」
第2話「卯と狼」はその続きから始まります。
寅のごとき猛将
時は少しさかのぼります。
元康の母・於大(おだい)は、家臣団を広間に集め、前年の寅年に生まれた「竹千代(元康)」を披露していました。
於大:「寅の年、寅の日、寅の刻に生まれし嫡男・竹千代である!まさに寅のごとき猛将となるに違いない!ガオー!ガオーガオー!」
…時は流れて桶狭間の戦い。
「寅のごとき猛将」になるはずの男は、今は巣穴で震えているウサギさながらです。
数正:「しっかりしなされ!2つに1つでござる」
城に残り、わずか200の兵で2000の織田軍と戦うか、城を捨てて逃げるか…
兵の命が自分にかかっていると思うと決断できず、気づくと織田軍はすぐそこまで迫っていました。
元康:「…逃げればよかった」
思わずつぶやきますが、もはやあとの祭りでした。
地獄の日々
松平元康と織田信長は幼少期に出会っています。
元康の父・松平広忠(まつだいらひろただ)は、宿敵である尾張の織田信秀(おだのぶひで)の度重なる侵攻に苦しんでいました。
とうとう織田に降伏せざるを得なくなった広忠は、竹千代(元康)を信頼する味方である戸田宗光(とだむねみつ)のもとへ避難させることにします。
ところが宗光は裏切り、あろうことか竹千代を尾張に人質として送ってしまいました。
ガラの悪い若侍たちが集まる荒れた寺に連れて行かれると、ひときわ奇抜な格好をした若者が、怯える竹千代をまじまじと見てきます。
信長:「かわいいのう、白い子兎のようじゃ。食ってしまおうか!」
これが信長との出会いでした。
その後、竹千代は相撲をとる信長と屈強な小姓たちの餌食になって、毎日のように投げ飛ばされます。
「地獄じゃ」とつぶやく竹千代を見下ろし、信長が嬉しそうに笑います。
信長:「そりゃいい!そのとおり、この世は地獄じゃ!」
竹千代にとって、覚めることのない悪夢のような日々が続きます。
チャンス到来
夕方になると異変が起きました。
織田軍が全軍、引き上げていきます。
実は、今川軍の本隊と戦った織田軍には、城攻めをする余力が残されていませんでした。
それでもわざわざ大高城を取り囲んだのは、三河勢に対する脅しのためです。
なんにせよ敵軍がいなくなって元康は安堵します。
そして、夜になったら城を出て駿府を目指すと家臣一同に告げました。
ところが、出発直前になって岡崎城から知らせが届きます。
今川から派遣されていた城代の山田新右衛門が討ち死に、その家臣たちは城を捨てて駿府へ逃げ帰ったとのことです。
この機会に本領である岡崎に入るべきだと主張する家臣と、妻子が待つ駿府に帰りたい元康の意見は対立し、ついに二手に分かれて行動することになってしまいました。
絶望
ほとんどの者が岡崎へ向かい、元康のもとには約40人ほどが残ります。
酒井忠次(左衛門尉)、石川数正、鳥居忠吉(忠吉翁)、鳥居元忠(彦右衛門)、本多忠勝(平八郎)といった顔ぶれが元康と行動をともにすることになりました。
そこへ「助けに来た」と松平昌久(まつだいらまさひさ)の軍勢が現れます。
昌久には過去に何度も裏切られていますが、焦った元康は昌久を信じて受け入れます。
この判断が誤りでした。
昌久のだまし討ちにより多くの犠牲者を出した元康一行は、岡崎城の北にある松平家の菩提寺・大樹寺に逃げ込みました。
負傷兵のうめき声であふれるお堂を、元康は思い詰めた表情で見渡します。
元康をかばって脇腹に被弾した忠吉翁は重傷を負っています。
城門の向こうからは、昌久勢の威嚇の声が聞こえます。
昌久は元康の首を手土産に、織田方へ降ろうと考えているようでした。
元康は、先祖の墓が並ぶ墓地に足を運びます。
亡父の墓前に膝をつき、手を合わせてから脇差しを抜き、切先を腹に押し当てます。
無能な大将の首でも家臣たちの命は救えるだろうと切腹を試みたのです。
元康:「…すまぬ、わしは帰れぬ…」
残していく瀬名と子どもたちのことを思い、溢れる涙を止められずにいると、平八郎がやってきました。
平八郎:「俺で良ければ介錯をしてやる」
しかし、平八郎の真の望みは、いつの日か元康を主君と仰ぎ、祖父や父のように主君を守って死ぬことだと元康に告げます。
その言葉を聞いて元康の目には再び涙が溢れました。
元康は浄土宗のお経を唱えると、腹に刃をあてたまま、尾張で人質となった日々を思い出していました。
「寅」の竹千代
竹千代は小姓にまじって相撲を学び、投げ飛ばされても投げ飛ばされても信長に果敢に挑みました。
竹千代:「竹千代は兎ではない!寅じゃ!」
2年経ったある日、竹千代はとうとう信長を倒して腕を締め上げます。
しかし、それもつかの間、信長に投げ飛ばされ、すぐさま押さえつけられます。
信長は竹千代を立たせると、義元に捕まった信長の兄と竹千代を交換することになったと告げました。
信長:「地獄を生き抜け!そしていつか、俺がお前の国を奪い、お前を食らってやる!」
竹千代:「…竹千代がそなたを食らってやる!」
竹千代が言い返すと、信長は「そうじゃ!それでよい!」と嬉しそうに笑いました。
岡崎へ
…いつしか元康の目には闘志がよみがえっていました。
脇差しをおろすと、墓の裏から貧しそうな武家の若者がふらりと出てきました。
この若者は榊原小平太(さかきばらこへいた)という者で、この寺の住職に教えを受けているといいます。
そして、さきほど元康が唱えたお経の本当の意味を教えます。
「汚れたこの世をこそ、浄土にすることを目指せ」
元康:「汚れたこの世をこそ、浄土に…」
やがて寺の門が開き、黄金色の甲冑をつけた元康が現れます。
そして「今一度この元康が三河を平定し、いかなる敵からも守って見せる」と言い放ちます。
元康:「わしは寅の年、寅の日、寅の刻に生まれた武神の生まれ変わりじゃ!そなたたちは、このわしが守る!わしが守るんじゃ!」
迫力に気圧された敵軍の中央を切り裂くようにして、元康軍は岡崎城に向かって行軍を進めます。
別人のような気迫を見せ、敵陣を突破することに成功した元康軍は、岡崎城にたどり着きます。
元康は、城の居室についたとたん、涙目になって膝から崩れ落ちました。
元康:「これからどうしよう…」
…ちなみに、元康は知りません。
本当は、元康は年が明けた兎年に生まれたということを。
母・於大が広忠に口止めしていたのです。
於大:「兎などいけませぬ。狼に狩られてしまいます。」
第3話に続きます。