船を操縦するシーンなどで「面舵いっぱい」とか「取舵いっぱい」というセリフを聞いたことがありませんか?
面舵(おもかじ)や取舵(とりかじ)どういう意味なのかというのをまとめましたのでご覧ください。
面舵の語源と意味
面舵(おもかじ)とは進行方向に対して右に舵をきることを言います。
「面舵いっぱい」と言うと、「全力で右に舵をきれ」という意味になります。
これはもともと昔、方角を十二支で表わしていたときの名残です。
十二支で方角を表すと、右の方向は「卯」となります。
この「卯の舵(うのかじ)」が時代を経て少しずつ「おもかじ」へと変化していきました。
なお、英語で面舵はStarBoard(スターボード)といいます。
昔の船は通常右側にSteerBoard(ステアボード)と呼ばれる舵をとるための板がついていました。
ステアボード側に舵をきれという意味で、右に舵をきることを SteerBoard(ステアボード) と表現していたといいます。
このSteerBoard(ステアボード)が少しずつなまって、右に舵をきることを StarBoard(スターボード) と呼ぶようになりました。
取舵の語源と意味
取舵(とりかじ)は面舵の反対です。
ということは左に舵をきることを意味します。
方角を十二支で表すと、左の方向は「酉(とり)」です。
読み方は同じですが漢字が変化して、「酉舵」が「取舵」となりました。
英語で取り舵はPort(ポート)といいます。
Port(ポート)とは「港」という意味です。
昔の船には、先程の面舵のところで出てきた、SteerBoard(ステアボード)が右側についていたため、必然的に左側を港につけることが多くなります。
そのため左に舵をきることをPort(ポート)と表現するようになりました。