日本時間2月28日の午後、ロシアとウクライナの間で停戦合意のための会談が開かれました。
ロシアの停戦条件・要求は?
ロシアのウクライナでの軍事行動を停止させるため、双方の隣国ベラルーシで停戦協議が開かれました。
その結果、近く次回の協議を実施することで合意し、双方が結果を持ち帰って検討を進めるということが決まりました。
この停戦協議で、双方からの停戦条件・要求が出され、次回の協議で具体的に停戦をするのかしないのかという話がなされるようです。
戦争を止めるための協議ですので、その内容は機密性がとても高く、停戦協議で出た話を現時点で我々が知ることは難しいです。
ですが、2月28日にロシアのプーチン大統領がフランスのマクロン大統領と電話会談した際に、終戦の条件をいくつか示していますので、それが参考になるかもしれません。
プーチン大統領が出したとされるウクライナへの軍事行動停止の条件は次のとおりとされています。
- ウクライナの非軍事化
- ウクライナの非ナチ化
- クリミア半島でのロシアの主権承認
「ウクライナが軍を縮小もしくは撤廃し、ナチスの影響を排除した上で、クリミア半島をロシアのものだと認める」のが停戦の条件だと言っていることになります。
ウクライナはロシアの出した条件を飲めるか?
ロシアの出した停戦条件が、上記に挙げたようなものだとすれば、これをそのまま受諾するのはかなり厳しいと思われます。
ウクライナは今まさにロシアによる軍事侵攻を受けています。
この状態で、軍の縮小や撤廃を考えることは困難を極めます。
非ナチ化についても、「そもそもウクライナはナチスの思想を継承しているわけではない」とウクライナ側は主張しており、話が噛み合っていません。
仮にナチスやその思想と関係ない国に「ナチスの影響を排除しろ」と言われても、「何をしていいのかわからない」となるだけです。
クリミア半島の主権承認にいたっては、おそらく受け入れることは無いでしょう。
ウクライナからすれば、クリミア半島は「半ば強制的に奪い取られた地域」であり、ロシアの主権を認めてしまうと、自国の領土を力ずくで奪い取ることを認めたことになります。
国際社会ですら「クリミア半島のロシア併合」を承認していません。
ましてや当事者がこれを認める可能性はほぼ0に近いと言えるでしょう。
ロシアとウクライナの停戦は実現する?
ロシアの出した条件が上記で見てきたとおりのものであるならば、ウクライナがこれを受け入れることは考えにくく、停戦が実現する可能性は低いと言えます。
ただし、ロシアは「ウクライナ侵攻に思ったより手こずっている」という事情があります。
当初2日ほどでウクライナ全土を掌握する予定と言われていたのが、すでに倍以上の期間を費やしています。
この状況がロシアの想定外のものとするならば、ロシアの出した停戦条件はより緩やかなものになっている可能性があります。
具体的な条件はわかりませんが、「どう見ても飲めない条件」から緩和されれば、あるいは停戦合意締結の可能性も出てくるかもしれません。
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