プロ野球日本ハムファイターズの杉谷拳士選手が10月28日に会見を行い、現役を引退することを発表しました。
11月5日(土)に東京ドームで行われる日本代表・侍ジャパンとの強化試合が引退試合となるようです。
日本ハムファンだけでなく、多くの野球ファンから愛された杉谷選手の突然の引退発表に、驚きの声が多数上がっています。
彼はなぜ現役引退を決断したのでしょうか?
杉谷拳士選手の引退理由
杉谷拳士選手は、10月28日の会見で引退理由として、次のようなことを話しています。
自分の将来のことやチームのこと、体のことなどを総合的に判断した
杉谷拳士選手「前進会見」より
杉谷選手は、今シーズンが始まる前の沖縄キャンプで「今年が最後のチャンス」と何度も口にしていました。
そして、今シーズンは51試合に出場、打率1割6分5厘、3打点、本塁打・盗塁は0という結果に終わりました。
出場機会は昨年よりも減り、成績もご本人の満足がいくものではなかったようです。
今年で31歳、プロ野球選手としては若くない年齢にさしかかっていました。
杉谷選手はどのポジジョンでもできるとはいえ、五十幡亮汰選手、野村佑希選手、清宮幸太郎選手などの若手野手も台頭してきました。
さらに言えば、ムードメーカー・広告塔の役割も、新庄剛志新監督が就任したことで薄れてしまったように思われます。
こういったチーム事情も考慮して総合的に判断されたのだと思われます。
杉谷拳士選手引退会見の様子
杉谷拳士選手は「引退会見」という言葉を選ばず「前進会見」という名前で会見を行いました。
最後まで非常に彼らしい姿を見せてくれました。
杉谷拳士選手の今後
杉谷選手は今後の活動について次のように語っています。
いま、いろいろと学んでいるが野球だけじゃなくて、視野を広げてスポーツ界に恩返しをしたい。今まで以上にテレビなどでみなさんの前に現れることが多くなりますが、今後とも応援よろしくお願いします。
杉谷拳士選手「前進会見」より
国内外問わずにスポーツマネジメントを学び、起業する意向を示しています。
昨年引退した先輩、斎藤佑樹氏にも相談したらしく、斎藤佑樹氏が設立した「株式会社斎藤佑樹」にならって「株式会社杉谷拳士」を作るのか?といった質問に苦笑いで考え中であるとを答えました。
何にせよ、今後は自分で会社を立ち上げてスポーツ界を盛り上げる活動をしていく予定だそうです。
杉谷拳士選手の意外な保持記録
杉谷拳士選手は、ムードメーカーのイメージが強いかもしれませんが、意外なプロ野球の記録を持っています。
それが、「令和初の左右両打席本塁打達成」という記録です。
左右両打席本塁打とは「1試合に同じ選手が左右の打席でホームランを打つ」ことです。
杉谷選手は史上19人目、42度目の左右両打席本塁打を放ちました。
これが2019年(令和元年)5月23日のことだったので、「令和初の左右両打席本塁打達成」となりました。
「令和初」がついているので、今後この記録が破られることはありません。
なお、このときの様子がこちらです。
野球ファンの間では有名な「サイレント・サイレント」の場面です。
忘れている人・知らない人も多いかもしれませんが、実はあの時に大記録を達成していました。
杉谷拳士選手の甲子園での成績(珍記録)
杉谷拳士選手は、高校時代に3回甲子園に出場しています。
高校時代は主に遊撃手でしたが、1年の時にマウンドにも上がっています。
それが「甲子園史上最も壮絶な試合」と呼ばれる智弁和歌山との準々決勝でのことでした。
9回表に一挙8得点を入れて4点のリードを奪った帝京高校ですが、投手に代打をおくっており、9回裏のマウンドには野手が立たざるを得ない状況になっていました。
センターの勝見選手という選手が投げますが、ストライクが入らず3点を取られてしまいます。
1点差に詰め寄られた帝京高校は、「度胸があるから」と杉谷拳士選手をマウンドに送ります。
その初球にデッドボール。
すぐにマウンドを降ります。
その後帝京高校は逆転、サヨナラ負けを喫しました。
杉谷拳士選手は、1球しか投げていないのに敗戦投手に。
さらに勝った智弁和歌山の松本投手が9回表に1球で3アウト目をとっていたため、「勝ち投手・負け投手ともに投球数1球」という前代未聞の珍記録が樹立しています。
杉谷拳士選手の名場面(?)動画
最後に杉谷拳士選手の名場面の動画を掲載しておきます。
ただのデッドボールでここまで見ている人を楽しませてくれる素晴らしい選手でした。
今後の杉谷拳士さんの活躍を期待しています。