知床半島沖で沈没したと見られる観光船「KAZU1」の捜索について、海上保安庁がロシアの国境警備局へ通知を発しました。
通知の内容は日本側が「国後島」との中間線を越えて捜索を行う可能性があるというものです。
知床の観光船「KAZU1」の捜索に対するロシアの反応
この海上保安庁の通知を受けたロシア国境警備局は、中間線を越えて捜索を行うことを了承したとのことです。
日本とロシアの間では「SAR協定」という捜索救助に関する協定が結ばれています。
これは、自国の周辺海域で海難救助活動を適切に行えるようにするとともに、関係国と協力することを目的とした協定です。
旧ソ連との間では31年に締結された「海上において遭難した人の救助のための協力に関する日本国とソビエト社会主義共和国連邦との間の協定」(日ソ海難救助協定)に基づき捜索救助に関する協力を行ってきたところであり,6年7月「海上における捜索及び救助に関する日本国海上保安庁とロシア連邦運輸省海運局国家海洋救助調整本部との間の協力のための指針」を作成し,両国間の協力の一層の促進に努めている。
海上保安白書より
内容の詳細は公表されていないようですが、両国間で協力するように話し合いがされているとのことです。
ただし、ロシアは救助活動をしない
海上保安庁の要請を受け、「国後島との中間線を越えて捜索を行うこと」については了承を得られましたが、ロシア側が捜索活動をすることはないとのことです。
ウクライナでの情勢を受け、日本は現在ロシアに対して経済制裁を行っています。
その対抗措置としてロシアは日本との北方領土交渉を打ち切りました。
両国の関係は現在のところ望ましい状態ではありません。
先日まで北方領土ではロシア軍が軍事演習を行っていました。
捜索に協力は得られなかったものの、北方領土のすぐ近くで捜索活動への了承が得られただけでも良かったのかもしれません。
下手をすれば領海侵犯だとして攻撃される恐れもあり得ました。
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