中国と「ソロモン諸島」が安全保障に関する協定に仮調印しました。
日本ではあまり聞き馴染みがない「ソロモン諸島」とはどんなところなのでしょう?
ソロモン諸島の位置の地図
ソロモン諸島の位置はこちらです。
地図のとおり、オーストラリアの北東、パプアニューギニアの東あたりに位置します。
大小100余りほどの島々がソロモン諸島に属しています。
ソロモン諸島とは独立国?
「ソロモン諸島」という名前が国っぽくないですが、れっきとした独立国です。
正式な国名は「Solomon Islands(ソロモンアイランズ)」です。
もとはイギリスの植民地でしたが、1978年に独立しました。
現在、ソロモン諸島の首都は「ホニアラ」で、「ガダルカナル島」という島に置かれています。
このガダルカナル島という島は、第二次世界大戦の時に日本とアメリカの激戦地となったので、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
その激戦地が今はソロモン諸島という国の中心部となっています。
英連邦王国
ソロモン諸島は「英連邦王国」に属する国です。
ですので、国家元首はイギリスと同じ「エリザベス2世」となります。
この「英連邦王国」というものが少しわかりにくいかも知れませんが、これはそういう国が存在するわけではなく、「イギリスの君主を国家君主とする独立した主権国家」のことをそう呼びます。
英連邦王国は「イギリス」と「もともとイギリスの植民地だった国」で構成されています。
植民地支配が終わってそれぞれが独立し、現在ではイギリスと対等な独立国となりましたが、国家元首はそのままという状態です。
英連邦王国は現在15カ国ありますが、これらの国の国家元首はみんな「エリザベス2世」です。
それぞれの国で国家元首は「君臨すれども統治せず」の状態で、「たまたま国家元首が同一人物」という取り扱いです。
ちなみに、オーストラリアやカナダなどの大国も「英連邦王国」に属しますので、国家元首は「エリザベス2世」です。
中国との仲は?
ソロモン諸島は2019年に中国と国交を樹立しました。
つい最近のことです。
そのときに、中国に配慮する姿勢を見せ、それまで親交のあった「台湾」との国交を断絶しました。
アメリカは台湾との国交を続けるように働きかけていましたので、このことでアメリカとの仲も険悪になっています。
その後、中国の関係強化に不満を持つ国民がデモを行い、ソロモン諸島内の中国人が経営する店などが襲撃されます。
しかし、そのデモが逆に中国との繋がりを強くする方向へ向かいます。
ソロモン諸島の政府は暴動の再発防止のため、中国から警察関係者と装備品を受け入れることになりました。
その関係は更に強まるようで、今回の安全保障協定へと繋がります。
協定の内容は公表されていませんが、「ソロモン諸島が中国に軍や警察の派遣を要請できる」と内容であるとの推測がされています。
場合によっては、ソロモン諸島に中国が軍事基地を作る可能性もあります。
太平洋の平和という観点でいうと、少し雲行きが怪しくなるように見えるニュースです。
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