7月19日、宮古島海上保安部は巡視船「しもじ」が機関砲の点検中、実弾8発を陸側に誤射したと発表しました。
被害は確認されていないとのことです。
ところで、巡視船に機関砲が搭載されているということ自体に驚いた方もおられるかもしれません。
今回、注目を浴びた「しもじ」という巡視船がどんな船なのか、簡単に紹介します。
海上保安庁の巡視船「しもじ」はどんな船?
巡視船「しもじ」は、「しもじ型」という船級に分類される海上保安庁保有の船です。
「しもじ型巡視船」は現在のところ10隻存在し、今後さらにもう一隻増やす計画となっています。
(※10隻のしもじ型巡視船:「しもじ」「くりま」「おおがみ」「しぎら」「ともり」「とぐち」「ひさまつ」「ながやま」「まえはま」「みかづき」)
この「しもじ型」の巡視船は、計画段階では「規制能力強化型巡視船」と呼ばれていました。
これらの船は、尖閣諸島周辺の中国船舶の領海侵犯や、外国漁船の違法操業に対応するために導入されています。
つまり、「規制能力強化型巡視船(しもじ型巡視船)」というのは、中国船舶などの規制をする能力を強化した小型の巡視船のことで、そのための武器も搭載できるようになっています。
巡視船ってどんな装備をしているの?
海上保安庁保有の船舶には、海上の治安を維持するために武器が装備されています。
今回、誤射が起きた「しもじ」にも「20mm機関砲」が搭載されていたとされています。
海上保安庁では、口径20mm以上を機関砲と呼び、それ以下は機関銃と呼びます。
今回のものは、「銃」ではなく「砲」ですので、大きめの砲弾が誤射されたということです。
しもじに搭載されている機関砲は、目標自動追尾のシステムで管理されているとされています。
そしてこのタイプの船舶に搭載されているのは、おそらくガトリング砲のような形式の火砲です。
おそらく「自動システムに何らかの不備があり誤射、ガトリング式なので一瞬で8発も発射」このような事態だったと推測されます。
なお、余談ですが、この「しもじ型」の巡視船には、長距離の対空ミサイルすら装備できると言われています。
規制強化能力は、かなり高そうな巡視船です。
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