4月10日に完全試合、4月17日に8回をパーフェクトに抑えた千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手が出場選手登録抹消されたとの報道がなされました。
通常、「出場選手登録抹消」は成績不振の選手に対してされることが多いため、「なぜあんなに活躍した選手が抹消?」と混乱された方もおられると思います。
そこで、日本プロ野球の出場選手登録の仕組みを簡単にご紹介します。
完全試合の佐々木朗希投手が出場選手登録抹消されたのはなぜ?
佐々木朗希投手が出場選手登録抹消された理由は、単純に休ませるためです。
成績不振で二軍で調整させるためではありません。
登録抹消されるとその日から10日間再登録ができず、一軍の公式戦に出場することができません。
この登録抹消の制度は、「成績不振の選手を二軍に落とす制度」というイメージが強いかもしれません。
確かにそのような側面はありますが、今回のように出場予定のない先発投手を登録抹消して休ませるというのはよくあることです。
佐々木朗希投手は、完全試合を達成した後、次の試合では8イニングを投げそこでもパーフェクトピッチングを披露しました。
その次に登板したオリックス戦で初級を打たれパーフェクトは途切れましたが、3試合連続で「完全投球への期待」というプレッシャーがかかっていたことになります。
4月24日には球審とのいざこざもありました。
ここのところ負荷がたくさんかかっていたということで、井口監督が登録抹消を決断したようです。
日本プロ野球の出場選手登録の仕組み
ところで日本プロ野球の出場選手登録の仕組みはどうなっているのでしょう?
まず、一軍登録できるのは最大で29人です。
そのうち試合に出られるのは試合前に指名された最大25人です。
つまり、一軍登録は29人まで、ベンチ入りは25人までということです。
一軍登録=ベンチ入りではありません。
通常は、その日に登板する予定がない先発投手がベンチを外れます。
外国人選手は最大4人まで一軍登録できますが、「野手が最大3人・投手が最大3人」という縛りがあります。
前述のとおり、一度登録を抹消すると、10日間は再登録ができません。
選手登録抹消されると少なくとも10日間は一軍の試合には出られないことが確定するということです。
ですが、逆に一軍登録した選手が、登録はそのままに二軍の試合に出ることは禁じられていません。
今回の佐々木投手のようにしばらく出場予定のない選手を登録抹消する意図としては、「別の二軍の選手を一軍に加えることができる」「FA権取得を遅らせる」というものがあります。
別の選手を一軍に呼べるというのは分かりやすいですが、FA権はピンとこないかもしれません。
FA権とは「フリーエージェント権」のことで、簡単に言うと「他の球団と契約することができる権利」のことです。
チームを移りたい選手がこの権利を行使することになります。
このFA権は、「一軍登録された日が145日以上」の年を1年としてカウントし、累計7~9年で取得できます。(※入団時期・国内か海外か、などによってFA権取得のための年数は異なります。)
球団側としては、FA権を取得されると他の球団に移籍されるかもしれないので、一軍登録日数を少なくできるときは少なくするのが定石です。
怪我もしてないし、成績不振でもない選手が一軍登録抹消される事情は、こういったところにもあるようです。
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