ウクライナ南東部の都市マリウポリにある「アゾフスタリ製鉄所」がロシア軍の包囲を受けています。
製鉄所内には民間人を含めて約2000人が留まっているとされています。
この製鉄所から4月30日と5月1日にかけて、約100人の民間人が退避したとされています。
アゾフスタリ製鉄所から退避した民間人はどこへ行った?
アゾフスタリ製鉄所から退避した民間人は、まずはザポロジエ(ザポリージャ)に向かうようです。
ザポロジエは、これまでマリウポリから退避してきた人々が立ち寄る中継地の役割を果たしてきました。
今回のその後の避難先は、安全保障上の観点から公表されていませんが、これまでと同じルートを通るのであれば、西側のポーランドなどに避難するものと見られます。
ゼレンスキー大統領は、「第一陣の避難民がウクライナの管理する地域に向かった。あすザポロジエで会おう。」と発言しています。
また、アゾフスタリ製鉄所内で抵抗を続ける「アゾフ大隊」の幹部も先日「ザポロジエのウクライナの支配地域に退避させることを望んでいる」とSNSに発信していました。
少なくともロシアへ避難するわけではなさそうです。
ザポロジエ(ザポリージャ)の位置はこちらです。
ご覧の通り、アゾフスタリ製鉄所のあるマリウポリのすぐ西隣です。
既にロシア軍が支配している地域もあり、具体的にザポロジエのどこへ避難したのかはわかりませんが、まずは一旦ザポロジエのウクライナの管理地域に向かったようです。
製鉄所から避難した人はなぜこんなに少ないの?
アゾフスタリ製鉄所から退避したのは、アゾフ大隊の幹部の話によると4月30日に20人(その後退避人数に関する発信は無し)、ロシアのメディアによると4月30日と5月1日の合計で86人、ゼレンスキー大統領の発表によると約100人とされています。
アゾフスタリ製鉄所内に避難している民間人は約1000人と言われていますので、いずれにせよ少数です。
この民間人1000人のうち、600人は負傷していると伝わっています。
今回退避したのは多くても約100人ということですので、おそらくは負傷者のうち、ケガの程度が重い人や幼い子供などが中心であると思われます。
まずは早急に退避しなければならない人だけが第一陣として避難したためにこのような少人数になったものと思われます。
アゾフスタリ製鉄所はロシア軍に包囲されています。
そして、中に籠もるアゾフ大隊などのウクライナ側の兵士は、ロシアに降伏していません。
ロシア軍としては、民間人に紛れてウクライナ兵士が外に出ることは阻止しなければなりません。
情報が漏れたり、テロ攻撃の恐れがあるからです。
民間人約1000人全員がアゾフスタリ製鉄所から退避するには、もう少し時間がかかるかもしれません。
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