3月25日、ロシア軍が北方領土で軍事演習を行ったとの報道がなされました。
日本によるロシアへの経済対策の対抗措置として、先日、ロシアは日本との平和条約締結交渉の中断を発表しました。
その直後に、交渉の対象となっている北方領土で軍事演習ということですので、不安に感じる方もおられるかと思います。
ロシアが日本に侵攻してくる可能性は?
現時点でロシアが日本に侵攻してくる可能性は非常に低いです。
まず、ロシアは現在ウクライナと交戦中です。
そこで予想外の苦戦を強いられ、外国人戦闘員を募集したり、ジョージアなどの外国に駐留している軍隊をウクライナに派遣しようとする兆候も見られます。
要するにウクライナと戦うので精一杯の状態です。
ここでわざわざ自ら他の戦場を作るメリットが何もありません。
そうしてしまえば、ただの自滅です。
北方領土で軍事演習を行ったとされるロシア軍は「3000人超」という規模だとされています。
日本に攻め込むにはあまりにも数が少なすぎます。
日本の自衛隊は総兵力で24万人ほどです。
自衛隊の所持する兵器の能力については、世界でも一線級と言われています。
さらに日本はアメリカの同盟国です。
「実際に戦闘が始まればアメリカ軍は助けてくれない」という意見もありますが、「同盟国である」という事自体が抑止力になっています。
そこに数千人という小規模で攻め込んでも戦果は見通せず、(アメリカ軍による)反撃のリスクが出るだけです。
北方領土で軍事演習する意味は?
「ウクライナ侵攻の前にも軍事演習が行われて、その後侵攻が始まった」ため、北方領土で軍事演習が行われたことは「侵攻の前触れ」のように感じた方もおられるでしょう。
おそらくそう思わせるのが狙いの軍事演習です。
今回の軍事演習のことを発表したのは、ロシア軍です。
つまり、日本にも攻め込むぞという姿勢を見せて脅し、これ以上の経済制裁をさせないようにしているものと思われます。
そうしておいて、EUやアメリカと日本の結束を乱すことに目的がありそうです。
もちろん、この後軍事演習に派遣する兵士の規模をだんだん多くして、本格的に日本に攻め込むという展開になる可能性は0ではありません。
ですが、ロシアは世界で一番国土が広い国で、その広い国土を守るために兵力を方々に割かなければならないのがロシアの国防上の弱点です。
日本にケンカを売ることは、その弱点を自ら突いてくれと言っているのと同じです。
注視は必要ですが、日本への侵攻を過度に心配する段階ではありません。
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