11月4日に世界で初めて新型コロナウイルス治療の飲み薬がイギリスで実用化されました。
日本では飲み薬はどうなっているのでしょうか?
政府が目指すのは2021年内の実用化
岸田首相は11月1日の記者会見の際、「(新型コロナ治療の)飲み薬の年内実用化を目指し、必要な量を確保する」と発言しています。
選挙の際に自民党は新型コロナウイルス対策を重要政策として、選挙公約パンフレットの一番最初に置き、そこには「早期に治療薬を利用可能とするための仕組みを検討する」と書かれていました。
岸田内閣が特に力を入れている政策の一つであることは間違いありませんので、承認申請の結果などにもよりますが、日本でも年内に実用化される可能性は低くないものと思われます。
イギリスで承認された薬は日本でも
イギリスで承認された新型コロナウイルス治療の飲み薬は、アメリカ製薬会社メルクが作った「モルヌピラビル」という薬です。
この薬は、10月上旬の段階で、日本でも承認申請の準備段階に入っています。
10月の時点でメルク社も年内供給の予定で準備を進めており、承認が降りれば必要な分の飲み薬を供給できるように調整しているとのことでした。
年内に日本国内で飲み薬の供給が始まるのであれば、おそらく最初に出回るのはこの「 モルヌピラビル 」です。
「 モルヌピラビル 」は、ウイルスを直接退治するのではなく、体内に侵入したウイルスが増殖するのを防ぐ薬です。
最終段階の臨床試験では、「入院や死亡のリスクをおよそ50%低下させる効果がみられた」と発表されています。
中外製薬・塩野義製薬も開発中
日本企業では、中外製薬や塩野義製薬も飲み薬の開発を進めています。
こちらに関しては、供給はもう少し先になりそうです。
中外製薬は、治験の結果が年内にまとまる見込みで、2022年の厚生労働省への承認申請を目指しています。
塩野義製薬は、最終段階の治験を9月下旬に始めています。
早ければ年内にデータがまとまる見込みで、その後承認申請となります。
その他の製薬会社ではスイスの「ロシュ」や、ワクチンで有名になったアメリカの「ファイザー」が最終段階の治験を行っているという状況です。
この2社に関しても来年以降の供給となりそうな状況です。
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