野口健さんといえば登山家として有名な方ですが、野口さん自身は「登山家」という言葉があまり好きではないようで、「アルピニスト」と名乗っています。
アルピニストとは普段あまり聞かない言葉ですが、これは何のことでしょう？
アルピニストとは？
アルピニストとは「アルプス登山者」という意味で、そこから「登山家」を指す言葉としても使われます。
「高度な技術を要する登山家」といった意味合いで使われることが多い言葉です。
アルピニズムとは狩猟や信仰，測量などの目的による登山ではなく，登山そのものを目的として，より高く，より新しく，より困難な登山を目ざすことの中に喜びと楽しみを求め，科学的，総合的に知識と技術を養い，強い情熱をもって全人格的に登山に対していこうとする考え方である。このような考え方の登山者をアルピニストと呼び，ハイカーとは区別している。
世界大百科事典
このように、ただ山に登るだけではなく、登山に対して情熱を持っている人達を指してアルピニストと呼びます。
野口さんがアルピニストを名乗ることで服部文祥氏からは批判
野口さんがアルピニストを名乗り始めたのは、「登山家」という肩書が嫌だからという理由からでした。
野口さんは過去に「自分は根っからの登山家ではなく、登山を通じて自己表現をしている」と発言しています。
「それはアルピニストとは違うのではないか」ということで、野口さんがアルピニストを名乗ることに関して批判の声をあげる人もいます。
「サバイバル登山」という文字通り極力装備を少なくするスタイルの登山を行う服部文祥氏は、「本当にアルピニストを目指している人を侮辱している」「野口君は市民ランナー」「登山家として３．５流」と痛烈に批判しています。
服部氏の主張によると、アルピニストとはアルピニズムに基づき困難なスタイルで登山を行う者のことを指すとのことです。
彼によると、野口さんの一般ルートを通ったり、ロープを使ったり、大規模な遠征隊を組んだりするスタイルはアルピニストとは呼べないということで、先の批判に繋がります。
このあたりは、ともに登山を愛する人同士のこだわりがぶつかっているようで、そこまでのレベルに達しないとなかなか理解出来ない批判なのかもしれません。
