ロシアの巡洋艦「モスクワ」が沈没したことが大きなニュースとなりました。
この「モスクワ」という軍艦は「旗船」でもありました。
少し用語がややこしくて分かりづらいと感じる方もいらっしゃると思いますので、意味をまとめます。
巡洋艦とは?
巡洋艦(じゅんようかん)とは、攻撃力を持たせた軍艦の一種です。
年代、国などによって定義が異なりますので、はっきりと「こんな船が巡洋艦」とは言えません。
船の歴史として、もともとほとんどの船は帆船でしたが、蒸気機関の発達により推進機を使った船に変わっていきました。
帆船だった時代、海戦の際に大型の軍艦の戦闘の補助をしたり、商船の破壊、沿岸警備をしていた船が、蒸気機関を乗せた船に変わっていく際に新しい船の名称として「巡洋艦」という言葉が使われるようになりました。
だいたいですが、「戦艦」「巡洋艦」「駆逐艦」の順に大きな船だと考えると分かりやすいです。
「戦艦は主力の軍艦」、「巡洋艦はその補助をする軍艦」、「駆逐艦は機動力を活かして敵の大型艦を破壊する小型の軍艦」というのが大まかな役割でしたが、近年ではさまざまな軍艦が造られています。
大きさも目的も多様化しており、現在ではそれぞれの軍艦にあまり差は無くなってきています。
なお、「軍艦」は軍隊用の船の総称です。
「軍艦=戦艦」のイメージがあるかもしれませんが、「戦艦」は「軍艦」の中の一種です。
旗船とは?
旗船(きかん・はたふね)とは、司令官が乗る船で、命令を出す軍艦です。
英語では「flagship(フラグシップ)」と呼ばれます。
つまり、艦隊のリーダーとなる軍艦のことです。
例えば、「日露戦争の日本海海戦」での「旗船」は司令官の東郷平八郎が乗っていた「三笠」です。
司令官が乗るかどうかが基準になるので、それぞれの戦闘で旗船は変わります。
第二次世界大戦の日本海軍の旗船は戦艦「長門」「大和」「武蔵」と次々変わっています。
ロシアの旗船で巡洋艦モスクワ沈没の意味
ロシアの巡洋艦「モスクワ」は沈没しましたが、その原因については判明していません。
ウクライナは「ミサイル攻撃が成功して撃沈した」と発表しており、ロシアは「弾薬が爆発した」としています。
この主張の違いは「ウクライナによるロシアへの大打撃」か「ロシアの痛恨のミス」かどちらになるかという違いで、ともかく旗船「モスクワ」が沈没したことは事実のようです。
「旗船」は前述の通り、「司令官が命令を出すための船」です。
これを失ったということは、ロシア軍の指揮系統に乱れが出ることは間違いありません。
また、船の名前がロシアの首都と同じです。
ロシア軍がこの軍艦を重要視していたことは、その名前から分かります。
おそらく、この巡洋艦「モスクワ」沈没は、ロシアにとって軍事作戦を進めるうえで、かなり深刻なダメージとなったものと思われます。
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