大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に文覚(もんがく)という僧が度々登場します。
ドラマで出てくる文覚は、市川猿之助さんの演技もあって、怪しさの塊です。
この文覚という人物は、ドラマオリジナルではなく実在の人物がモデルとなっています。
では、実在した「文覚上人」とは一体どんな人物だったのでしょうか?
文覚上人とは?
文覚上人は、真言宗の僧です。
出家する前は武士でした。
出家前の名前は「遠藤盛遠(えんどうもりとお)」といいます。
院御所の北側を警備する「北面の武士」として「統子内親王」という皇族に仕えていましたが、19歳のときに出家します。
その後、京都にある「神護寺」というお寺の再興を後白河法皇に訴えますが、要求が強引すぎたため、伊豆国に流されます。
この伊豆国で、同じく流罪となっていた源頼朝と出会います。
その事もあって、源頼朝の存命中は大きな影響力を持っていたとされています。
しかし、頼朝亡き後、様々な争いごとに巻き込まれて佐渡国に流され、許されて京へ帰って来たと思えばすぐに対馬国への流罪が決まります。
配流先の対馬国へ向かう途中で亡くなっています。
本物も変わった人だった?
大河ドラマの文覚は誰がどう見ても怪しい人物です。
これは、市川猿之助さんのアドリブというわけではなく、もともと本物の文覚上人も変わった人物だったようです。
同時代の史料には、例えばこんな記述があります。
- 乱暴者で、行動力はあるが学識はない
- 人の悪口を言う
- 天狗を祭る
- 同時代の僧侶である「西行」を憎んでいた
- 源頼朝に対し、父・源義朝のドクロを見せて決起を促した
- 出家の原因は従兄弟の妻に横恋慕し、誤って殺してしまったから
- 海の嵐を鎮める法力を持つ
どうでしょう。
ドラマに出てくる文覚は、実在した文覚上人の姿にわりと近いのかもしれません。
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