多連装ロケットシステムMLRS・高機動ロケット砲システムHIMARSとは何?

ロケット弾 政治・経済
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アメリカがウクライナに対し、新たな武器の供与を進めています。

今回、供与が検討されている武器の中に、「多連装ロケットシステム(MLRS)」、「高機動ロケット砲システム(HIMARS)」と呼ばれるものがあります。

これらの武器は強力なため、「ウクライナがロシア国内への攻撃に使用し、戦火が広がるおそれがある」としてアメリカはこれまで供与をためらっていました。

しかし、ウクライナの要請に答え、アメリカはこれらの強力な武器を提供する方向で話を進めているようです。

この「多連装ロケットシステム(MLRS)」、「高機動ロケット砲システム(HIMARS)」とはどんな兵器なのでしょうか?

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多連装ロケットシステム(MLRS)とは?

多連装ロケットシステムとは、射程距離の長い複数のロケット弾を一斉発射できる大砲のことです。

Multiple(多数) Launch(打ち上げ) Rocket(ロケット) System(システム)」の頭文字をとってMLRSとも呼ばれます。

ロケット弾には誘導装置がついていないので、命中率はミサイルや通常の大砲に比べて低くなっています。

また、横風の影響を受けやすく、不発弾も多いという欠点があります。

その代わり、比較的安価で製造でき、発射装置も簡便で済むという特徴があるため、「同時に多数発射して欠点を補おう」という発想で生まれたのがこのような多連装ロケット砲です。

通常この兵器は、その長い射程距離で、戦いの前線ではなく後方連絡線(物資の配送や部隊の移動など)を狙うために使われます。

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高機動ロケット砲システム(HIMARS)とは?

高機動ロケット砲システムも同じく「長射程の多連装ロケット砲」です。

MLRSの小型版」として使われています。

High(高い) Mobility(機動力) Artillery(大砲) Rocket(ロケット) System(システム)」の略でHIMARSとも呼ばれます。

MLRSは非常に高い破壊力を誇る代わりに、移動するのが大変です。

そこで、MLRSの良さを残しつつ、迅速な部隊の展開を可能にするため開発されたのがHIMARSです。

HIMARSは大きさはMLRSと変わりありませんが、重量が約半分と空輸しやすい設計になっています。

その代わり、MLRSが一度に12発のロケット弾を連射できるのに対し、HIMARSは半分の6発しか連射は出来ません。

これらの兵器は、もともとはアメリカ陸軍が開発したもので、西側諸国やNATO加盟国にも配備されています。

MLRSは日本の自衛隊にも配備されていますが、射程距離が長すぎるため、その威力を確認できる演習場が日本には無いと言われています。

かなり長距離を射程にできて、なおかつ威力の高いこれらの兵器の導入によって、ウクライナとロシアの戦いに変化が出るかもしれません。

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