NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で、山本耕史さんが演じる三浦義村という御家人がいます。
主人公・北条義時とは親友のような立ち位置で、頭の切れる人物として描かれています。
敵か味方かわからない彼はどんな人物で、最期はどうなったのでしょうか?
三浦義村の最期はどうなる?
三浦義村は、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の主人公・北条義時より長生きします。
最終的に鎌倉幕府で北条氏に継ぐ地位となり、最期は病気で亡くなります。
亡くなった原因はハッキリとは分かっていませんが、「中風(脳卒中の後遺症の半身不随)」だとされています。
三浦義村は承久の乱の後、後鳥羽上皇をはじめ3人の上皇を流罪とし、後鳥羽上皇の子孫を罰して皇位継承を認めませんでした。
このため、後鳥羽上皇の怨霊が三浦義村を殺したと当時の人は噂しました。
三浦義村が亡くなったのは北条義時の急死から15年後、72歳でした。
三浦義村は「13人」じゃないけど一番活躍
三浦義村は、大河ドラマのタイトルである「鎌倉殿の13人」=「十三人の合議制のメンバー」ではありません。
十三人の合議制のメンバーだったのは彼の父の三浦義澄です。
しかし、三浦義村は頼朝死後の権力闘争のほとんどに関与して暗躍しています。
初代将軍・源頼朝、2代将軍・源頼家が信頼を置いていた「梶原景時」は、66人の御家人による弾劾状によって失脚したとされますが、これを主導したのは三浦義村だとされています。
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「畠山重忠」討伐でも重要な役割を果たします。
重忠の嫡男、「畠山重保」を討ったのは三浦義村だとされます。
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「和田合戦」では、同族である和田氏を直前になって裏切り、和田義盛挙兵を北条義時に伝えて北条方に味方しました。
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3代将軍源実朝を暗殺した「公暁」も三浦義村の裏切りによって殺害されています。
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さらに北条時政・北条義時親子が対立することになった「牧氏事件」で義時を勝たせたのは三浦義村であるとする説もあります。
この説によると、北条時政・牧の方(りく)の陰謀を聞いた北条政子が驚いて三浦義村に相談したところ、まだ誰も何もしていない段階で兵を集め、源実朝を避難させたうえで北条時政を故郷の伊豆へ(強制的に)送ったとされています。
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このように、鎌倉時代初期のほとんどすべての事件に三浦義村は関与しており、しかも彼が付いた方が勝ち残っています。
自分で「乱」は起こしていない
鎌倉初期に起きた権力闘争のほとんどすべての事件で、中心的な役割を果たしてきた三浦義村ですが、自分自身は事件を起こしていません。
正確には、自分が主犯になるような「乱」は起こしていません。
誰かを操って事件を起こさせています。
権謀術数に優れ、多くの事件で黒幕とされる非常に不思議な人物です。
なお、北条氏と三浦氏が直接対決する「宝治合戦」は、三浦義村が亡くなったあとの事件です。
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鎌倉殿ではラスボスか?
鎌倉殿の13人の原作者である三谷幸喜さんは、以前インタビューでこんなことをおっしゃっていました。
最後の最後に、義村の最大の見せ場を用意するつもりです。まだ言えませんが、物語の終盤、ラスボス的な存在で主人公に立ちはだかるのはこの男かもしれません。
三谷幸喜氏インタビュー(Real Sound)より
三浦義村最大の見せ場は、物語の最終盤に来るそうです。
そこで三浦義村が、主人公に立ちはだかるラスボス的な存在になるかもしれないと明言されています。
そして、「最終回は北条義時の人生が終わる時にしたい」とも同じインタビューの中で語っています。
そうなると「承久の乱」か「伊賀氏の変」あたりで三浦義村最大の見せ場が来そうです。
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三浦義村は、暗躍しまくっててどの事件でラスボスの立ち位置になるのかなかなか読めませんが、「予測不能」が得意な三谷さんのことですから、必ず面白いラストにしてくれるはずです。
楽しみに最終回を待ちましょう。
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