ロシア軍がウクライナに侵攻を開始し、4月にはウクライナ東部に兵力を集中させています。
ヨーロッパ、アメリカなどの各国は、軍事物資をウクライナに供与していますが、軍隊の派遣はしていません。
ところで、国際連合にも軍隊があるはずです。
ウクライナを応援する国が多いのに、国連の軍を動かすことはできないのでしょうか?
国連軍とは?
国連軍とはその名のとおり、国連の指揮に属する軍隊のことです。
常設の軍隊ではなく、「あらかじめ安全保障理事会と協定を結んでいる国連の加盟国」が兵力を提供することで作られます。
この国連軍は、安全保障理事会の決議に基づいて組織されます。
国連軍はウクライナに派遣されないの?
国連軍は「あらかじめ安全保障理事会と協定を結んでいる国連の加盟国」から兵を集めて組織されます。
2022年現在、この協定を結んでいる国が一国もありません。
ですので、今のところ国連軍をウクライナに派遣するどころか、国連軍を作ることすら出来ません。
まず、国連加盟国の中から、「安全保障理事会と兵力を提供する協定を結ぶ国」が出てこないことには国連軍となる兵士が集まりません。
この協定は急いで結ぶような性質のものではないので、ウクライナに国連軍を派遣するのは現実的ではありません。
また、仮に「協定国」がいたとしても、さらなる問題があります。
出動は常任理事国の同意が必要?
国連軍は「安全保障理事会」の決議によって組織されます。
そして、安全保障理事会の指揮下にあります。
ということは、常任理事国の5カ国が拒否権を行使した場合、組織することすら出来ません。
組織することが出来たとしても、出動するときにも常任理事国の同意が必要になります。
今回、常任理事国の一つであるロシアがウクライナに攻め込みました。
仮に、安全保障理事会で「国連軍を組織するかどうか」の議題が出ても、ロシアは拒否するはずです。
自分の国に攻め込む軍隊を作ることに賛成するわけがありません。
国連軍というのは、一応「国際連合憲章」には規定がありますが、現実に組織して派遣するためにはかなり高いハードルがあります。
なお、今まで「正式な国連軍」が組織・派遣されたことは一度もありません。
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