ロシアのプーチン大統領が、核のカバンを持ち歩いているとしてニュースになったことがありました。
おそらくその時持っていたのは「チェゲト」と呼ばれるブリーフケースです。(チェゲトとは?)
この「ブリーフケースによって核攻撃の支持を出す」という仕組みはアメリカにも存在します。
それが「核のフットボール」と呼ばれる仕組みです。
核のフットボールとは?
核のフットボールとは、アメリカ大統領が核攻撃の許可を出すための道具が入った黒いブリーフケースのことです。
正式名称を「大統領緊急カバン」と言います。
そのまんまですね。
軍事の総司令官である大統領が、司令部を離れたときでも核攻撃の許可を出せるようにするためのシステムです。
大統領が外出する際は、この「核のフットボール」を持った軍事顧問1名が常に随伴しています。
これを持つことができるのは「少佐」以上で、極めて厳しい身元調査を受け、任命された人だけです。
そして、大統領自身は「ビスケット」と呼ばれるカードを常に持参しています。
これには核攻撃許可の認証を行うための暗号が入っているとされています。
なお、このカバンの中に「核のスイッチ」が入っているというわけではありません。
核のフットボールの仕組み
「核のフットボール」と呼ばれるブリーフケースを開けた時点で、参謀本部に指令信号が送られます。
大統領と司令部は攻撃について話し合い、核攻撃を行うことが決定すれば暗号入りのカードである「ビスケット」を使って認証を行い、命令を下します。
大統領の核兵器発射の命令は、国防長官が「確認」を行います。
これは、大統領本人が命令を行ったことの確認です。
核兵器の発射は大統領のみが命令することができるものであり、これを拒否することは誰にもできません。
このため、核兵器発射の命令が下されると、実際の発射までに何度も真偽確認が行われます。
この「核のフットボール」が現在のような運用方法になったのはキューバ危機の頃からだとされています。
なお、アメリカは大統領が職務を行えなくなった場合、副大統領が代わりに大統領の権限を行使するため、「核のフットボール」は大統領用と副大統領用の2つがあると言われています。
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