ロシアとウクライナの2回目の交渉が日本時間の3月3日夜に行われました。
残念ながら停戦の合意には至りませんでしたが、「人道回廊の設置」をすることで両者の意見が一致したとのことです。
人道回廊とはなんのこと?
「人道回廊」とは「戦争に関係ない民間人が逃げるためのルート」のことです。
明確な定義などはありませんが、通常、戦争が行われている地域で一般市民が逃げるためのルートをこう呼びます。
「回廊」とは本来「廊下(ろうか)」という意味です。
それが転じて歴史学や地理学では「領土から伸びる廊下のような細長い領土」のことを回廊と呼びます。
「人道」は「人として守るべき道理のこと」です。
ですので、人道回廊の意味は「民間人が逃げるために、攻撃を加えてはいけないルート」というようなものになります。
具体的には何をするの?
では、人道回廊の設置とは具体的に何をするのでしょうか?
今回の戦闘では、ロシアがウクライナに攻め込んでいます。
ということはウクライナの民間人が危険にさらされています。
この「戦争に関係ないウクライナの民間人」が、攻撃対象となっているウクライナの都市から国外、あるいは攻撃の対象外の地域まで脱出するための経路を作ることが「人道回廊の設置」です。
人道回廊設置の同意がなされましたので、ウクライナとロシアの間で、民間人が逃げるためのルートを話し合いで決めることになります。
そのルート上にはお互いに攻撃しないというルールが設けられることになるでしょう。
現在ウクライナとロシアは戦争中ですので、お互いにどこを狙って攻撃しているのかはわかりません。
この状態では逃げたい人がいても、どこを通って逃げればいいのかわからず、結果的にシェルターなどに立てこもる他なくなります。
それが長期に渡れば食糧不足などの懸念もありますので、まずは民間人の安全を優先的に確保しましょうということで一致した模様です。
人道回廊設置の合意は有名無実?
人道回廊設置の合意がウクライナとロシア双方間でなされましたが、ロシア軍がこれを意に介せず攻撃を続けているとの報道が数多くなされています。
中には、避難するルート上に地雷が設置されているとの情報も入っています。
このため、人道回廊を設定したとはいえ、避難するのが危険でその場を動けないウクライナの人々が大勢いるようです。
合意ができたとはいえ、力関係ではロシアの方が上なので、「約束を守るかどうかについてもロシア次第」という状況になってしまっているようです。
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