ウクライナへのロシア軍の軍事侵攻が続いています。
このウクライナの情勢は日本にどのような影響をもたらすのでしょうか?
目次
ウクライナ情勢の日本への影響
ウクライナでは、ロシア軍が軍事行動を続けています。
ロシアがすぐにウクライナを制圧し、傀儡政権を立てるものと見られていましたが、ウクライナが善戦し、ロシアの軍事行動を遅らせています。
世界各国はその姿を見て、ウクライナを支援するような流れが出来ています。
そんな中でロシアに対する経済制裁が次々と行われています。
日本もロシアに対して経済制裁を課す事を決めました。
このウクライナでの戦争と、ロシアに対する経済制裁によって日本では主に経済に影響が出るものと考えられます。
ウクライナ情勢の日本への影響(経済)
物価の上昇
ロシアへの経済制裁、それに対するロシアの対抗措置によって物価が上がることが日本への最も大きな影響として挙げられます。
ロシアは世界第3位の原油輸出国です。
全世界の1割以上の原油はロシアが生産しています。
仮にロシアが原油の輸出に制限をかけた場合、原油を使ったエネルギーや商品の値段が上がります。
原油からはガソリンや軽油なども作られるため、これらを使った物流にかかるコストも上がります。
物流自体に影響が出るため、あらゆる品物の値段が上がる可能性があります。
また、日本はロシアから魚介類を多く輸入しているため、魚介類やそれを使った食品の価格は高くなりやすいと言えそうです。
電気・ガス代の高騰
液化天然ガス(LNG)という燃料があります。
これは日本のロシアからの最大の輸入品です。
日本は液化天然ガスの世界第2位の輸入国でもあります。
この液化天然ガスは主に発電や都市ガスとして使われています。
ということは、この輸出を制限された場合、電気代やガス代が高騰する可能性が高いということです。
また、たとえロシアが液化天然ガスの輸出を制限しなくても、連日報道されているようにヨーロッパでは天然ガスの不足が深刻な問題となっています。
その代替品として、液化天然ガスが検討されているため、液化天然ガスの需要が増え、それに伴い価格が上昇する可能性がかなり高いです。
こうなれば、どちらにせよ日本の電気・ガス代も上がるということになります。
自動車生産への影響
ロシアの主な輸出品に「パラジウム」という金属があります。
これは、日本では主に「自動車の排気ガス浄化用の触媒」として使用されています。
世界で使われるパラジウムの4割はロシア産だとされていますので、ロシアとの関係が悪化すると自動車生産へも影響が出ます。
自動車は日本の主な輸出品です。
自動車の輸出量が減少するとなると、日本経済が落ち込むおそれも出てきます。
ウクライナ情勢の日本への影響(安全保障)
経済的な影響ともう一つ、安全保障面でも影響がでるものと思われます。
北方領土
日本はロシアに対して経済制裁の発動を決定しました。
これにより、両国の関係は悪化することが予想されます。
まだ、ロシア側が言及したわけではありませんが、すでに北方領土の話し合いは遠のいたと見ていいでしょう。
今後、ロシアが北方領土を自国の領土だと主張し、そのために北方領土周辺の軍備を強化することはありえます。
ロシアにとってそれは優先順位が高くないはずですが、日本の側からすれば警戒しておく必要はあります。
台湾
中国は今回のロシアの動きを参考にしているはずです。
いずれ台湾で今回のようなことが起こらないとも限りません。
懸念されるのは、今回のロシアのウクライナ侵攻を受け、台湾や日本で核保有の動きが強まることです。
現在のところ、核兵器は全世界で減らす方向に向かっています。
台湾や日本が今回の事を受け、核保有の動きをみせると、おそらく中国はそれに対して反対をします。
台湾・日本がそれでも核を保有しようとした場合、中国は「核兵器所持の阻止」という大義名分を得ます。
そうなれば、仮に中国が台湾や日本を攻めたとしても、今回のウクライナのように「多くの国がウクライナを応援をする」ような状況にはならない可能性が高いです。
中国としては台湾の併合をやりやすくなります。
今回のウクライナの一件で、日本でも核保有の是非の議論が活発になると予想されますが、その議論は慎重に行わなければなりません。
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