ウクライナをめぐる一連の騒動に関して、ICCが戦争犯罪の捜査を開始したとの報道がされました。
ICC(国際刑事裁判所)とは?
ICC(国際刑事裁判所)とは、個人の国際犯罪を裁く国際裁判所です。
(※国家間の紛争を取り扱う「国際司法裁判所(ICJ)」とは全く別の機関です。)
個人の国際裁判を裁く裁判所であるため、今回のように侵略を起こした「ロシアという国」全体が裁かれることはありません。
「具体的に戦争犯罪などを起こした個人」が裁かれることになります。
ICCの主任検察官であるカリム・カーン氏によると、「ウクライナの状況の調査で、国際刑事裁判所の管轄権が及ぶ犯罪があったと信じるに十分な根拠を得た。」とのことです。
さらに、「証拠となり得る事案を確認した。」との発言もあったことから、ウクライナで行われている戦争で何らかの戦争犯罪が発生し、その証拠をICCが掴んでいるという状況のようです。
ICCに戦争犯罪と認定されたらどうなる?
ICCに戦争犯罪などの国際犯罪を犯したと認定されると、その人物に対して逮捕状が発行されます。
こうなるとその人物は、「国際指名手配犯」ということになります。
これにより、ICCの管轄が及ぶ国ではその人物は拘束されてしまいます。
現在、ICCの加盟国は123か国と世界にある国の半数以上が加盟しています。
しかし、ロシアはクリミア半島の一件で2016年にICCを離脱しています。
このため、ロシアの人が戦争犯罪を犯した場合でも、その人物はロシア国内で拘束されることはありません。
また、ICCに加盟していないロシアの同盟国に逃れた場合も同様です。
ウクライナも憲法との兼ね合いでICCに署名はしているものの批准はしていません。
ですが、無期限で管轄を受け入れるという意思を示しているため、ウクライナではICCの管轄が及ぶことになり、戦争犯罪者と認定された人物が同国にいる場合拘束されるということになります。
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