お正月になると福袋を楽しみにされている方も多いかと思います。
ところで福袋って外国にはないのでしょうか?
福袋があるのは日本だけ?
福袋の発祥は日本です。
そのためほとんど日本独自の文化ですが、近年では日本国外へ広がりをみせています。
たとえば、アメリカの会社「Apple」が日本の店舗で福袋を販売したところ好評であったため、アメリカ国内でも福袋を売るようになりました。
「luckybag(ラッキーバッグ)」「mysterybag(ミステリーバッグ)」などと呼ばれています。
また、ハワイのショッピングモールでは15,6年ほど前から福袋を販売するようになったそうです。
この他、台湾、香港などで日本企業が春節に福袋を販売し、徐々に中華圏の人々にも福袋の存在が認知されてきています。
福袋を売る目的
多くの店が福袋を売る目的は、「客寄せ」のためです。
通常、「福袋に入っている商品の合計額」より「福袋の販売価格」のほうが低いため、購入者としては高い品物を安く手に入れるチャンスです。
中身が見えないことも手伝って、自分にとって気に入る商品が当たるかどうかという、新年の運試し的なワクワク感を楽しめるため、好きな人は毎年楽しみにしています。
ということは、店側とすれば福袋を目的に毎年見せに来てくれるお客さんを掴むチャンスと言えます。
福袋に入れることで、多少商品の販売価格が安くなってしまっても、その代わりにお客さんがたくさん来てくれることが見込めます。
さらに、新商品を作ったり、仕入れたりせずとも、すでにある商品を袋につめて見えないようにするだけで福袋という目玉商品は出来上がります。
「客を寄せるための目玉商品をつくる」ことが福袋を売る一番大きな目的です。
また、「在庫品処分のため」といった事情も少なからずあるようです。
売れ残った商品を袋の中につめて、他の商品と一緒に売ってしまえば、在庫品の処分が出来ます。
値段以上でも不人気商品や不用品ばかりがあたってしまった購入者は気の毒ですが、店としては不人気商品を合法的に一掃するチャンスであると言えそうです。
福袋の歴史・由来
福袋は江戸時代の「恵比寿袋(えびすぶくろ)」がその原型だと言われています。
時代劇で悪代官との取引をするシーンで有名な呉服屋の「越後屋」がこの恵比寿袋を最初に販売しました。
売れ残った生地を袋に入れ、期間限定で安売りしたのが「恵比寿袋」です。
名前の由来は「えびす講」という行事が行われる時期限定で売り出していたからだといわれています。
この恵比寿袋が江戸で大変な人気を博したため、他の呉服屋なども真似をして同様の商品を販売しました。
明治時代にもなると、いろんな品物の福袋が販売されるようになります。
このころには、払った代金より高額なものが当たるということで、行列ができるほど人気があったとされています。
さらに戦後になると、さらに福袋商戦は加熱していきます。
1980年代ともなると、毎年の恒例行事のような扱いとなっていきました。
現在では、「袋の中身が見えるもの」、「中身があらかじめ公表されているもの」、「中身を自分で選択できるもの」、「商品ではなくサービスを提供するもの」、「袋には入りきれないほど大きな物(家具・家電など)」などかなりの進化を見せています。
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