ロシアのペスコフ大統領報道官の発表によると、ロシアのプーチン大統領がトルコ訪問の準備を進めているとのことです。
すでにある程度の訪問の日程も決まっているということですが、プーチン大統領は何をしにトルコへ行くのでしょうか?
プーチン大統領のトルコ訪問の目的は?
まず、現時点でプーチン大統領が何のためにトルコを訪れるのか、その目的の公式な発表はありません。
ただ、トルコ側からの招待を受けて訪問を検討しているとのことです。
トルコのエルドアン大統領は、つい先日ロシアのプーチン大統領・ウクライナのゼレンスキー大統領の2人と電話会談をしています。
その電話会談でエルドアン大統領は、「トルコと国連が仲介役となり、イスタンブールでロシアとウクライナの停戦協議を行う」ことを両者に提案しました。
このタイミングでプーチン大統領が「ウクライナ侵攻後初」となる外国訪問を検討しているということで、ついに停戦協議が成立するのではないかという見方もされています。
停戦協議の成立は難しい?
プーチン大統領がトルコへ訪問するかもしれないというニュースが流れ、それが停戦協議を結ぶためかもしれないという憶測を呼んでいますが、停戦協議の成立は現時点では難しいという見方が大半です。
まず、ペスコフ報道官の「プーチン大統領トルコ訪問準備の発表」のときに、プーチン大統領がゼレンスキー大統領と会談する可能性についてはすでに否定されています。
この情報自体がフェイクである可能性はもちろんあります。
しかし、現時点ではロシア・ウクライナ双方とも「積極的に停戦協議を行う状態ではない」可能性が高いものと考えられています。
ロシアは最初ウクライナ全土の掌握を目指す動きを見せ、それが難しいと悟ると、途中から東南部の制圧に切り替えました。
現時点でウクライナ東南部の制圧は完了していません。
目的を達成していないのに戦争をやめるというのは、最近のプーチン大統領を見ているとちょっと考えにくいです。
一方、ウクライナは侵攻開始直後は積極的に停戦交渉を働きかけてきたものの、「ブチャ」などの惨劇が明るみになって以降、停戦交渉の意欲が一気に冷めました。
罪もない人々を虐殺されたことで激しい怒りを覚えたことと、ロシアの占領が悲劇を招くことになるという認識が生まれたことがその要因です。
ウクライナとしては、占領された地域からロシア軍を追い出すまで安心できない状態です。
両国とも今の時点では有利な立場に立っていないため、自国の利益が確保される可能性が低いと考えているはずです。
そうなってくると、たとえ今の時点で停戦交渉を行なっても「時間稼ぎ」になる可能性が高く、「交渉成立」は難しそうです。
コメント