紅白歌合戦で蛍の光を歌うのは何故?
蛍の光は日本では主に「終了を惜しむ曲」「終わりを知らせる曲」「別れの曲」として扱われています。
卒業式や閉会式などの式典の終盤、スーパーやデパートなどの商業施設の閉店時によく蛍の光のメロディが流れます。
(実をいうと、厳密にはあれは本来の蛍の光ではない場合が多いのですが…)
終了間際にその終了を惜しみ、終りが近いことを知らせるためによく用いられる曲です。
紅白歌合戦で出場者が蛍の光を歌う理由もこれと同じです。
つまり、「紅白歌合戦が終わることを惜しみ、かつ、もうすぐ紅白歌合戦が終わることを知らせるため」に蛍の光が歌われます。
蛍の光が流れると、条件反射的に「もう終わりか…」という雰囲気になりますよね。
その雰囲気を意図的に作るために「蛍の光」が使われます。
蛍の光の原曲
「蛍の光」の原曲は、スコットランドの民謡「オールド・ラング・サイン」という曲です。
この曲は、非公式ではありますが、スコットランドの準国歌と言われるほど有名な曲で、日本だけではなく、世界中に広がっています。
古くからスコットランドに伝わっていた曲で、作曲家も不明です。
作詞は18世紀のスコットランドの詩人、ロバート・バーンズという人物が手掛けています。
原曲の歌詞は「古い友人と再会し、過ぎ去った昔に思いを馳せながら酒を酌み交わす」という内容です。
この過去を懐かしむ歌詞と、少し哀愁の漂うメロディが重なって「別れの曲」というイメージが定着していったものと思われます。
日本や中国、韓国などのアジア圏では卒業式や葬儀などといった「終わり」を象徴する場面に使われる事が多く、イギリスやアメリカなどの英語圏では、新年のカウントダウンで年が明けた瞬間など「境目の曲」として使われることがある曲です。
この曲に日本語の歌詞をつけたものが「蛍の光」です。
なお、本来4拍子の「オールド・ラング・サイン」を3拍子に編曲したものは「別れのワルツ」と呼ばれており、実は閉店間際に流れるメロディはそのほとんどが「蛍の光」ではなく「別れのワルツ」だったりします。
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