アメリカのバイデン大統領は初めての訪日の際、「中国が台湾に武力で介入した場合に、アメリカは軍事的対応を取るのか」との質問にたいしてはっきり「イエス」と答えました。
また、アメリカの前国防長官のエスパー氏は、「台湾は主権国家だ」と明言しました。
これまであいまいだったアメリカの「中国と台湾の問題」に関する立場が明確になりつつあります。
そこで注目を浴びているのが「一つの中国」という言葉ですが、これは一体どういう意味でしょう?
一つの中国政策とは?
「一つの中国」とは、「中国と台湾は一つの国である」という意味の言葉です。
原則的には、中華人民共和国(中国)が「台湾は我々の国の一部である」と主張するときに使われている言葉です。
ですので、要するに「一つの中国政策」というのは、「中国が台湾を併合しようとすること」だと思えばわかりやすいです。
ただ、少々複雑なのが、台湾も「一つの中国政策」を打ち出していたという点です。
中国と台湾の関係
現在はあまり言われていませんが、かつて台湾も「一つの中国」、つまり「中国と台湾は同じ国である」ということを主張していました。
これには「台湾政府が中国の正当な政府である」という考えが前提にあります。
まず、台湾の正式名称は「中華民国」です。
どこかで聞いたことはないでしょうか?
そうです。
「中華人民共和国」が成立する前に中国大陸にあった国の名前と一緒です。
名前が一緒というか、同じ国そのものです。
「中華民国」は「中華人民共和国」との戦いに敗れて台湾に逃れました。
毛沢東と蒋介石が戦って、蒋介石が台湾に逃れたというのを歴史の授業で習ったかもしれません。
この蒋介石が率いていたのが中華民国です。
そして、その中華民国は今現在も台湾に存在しています。
クーデターで負けた政権が国外に逃れて別の国を作った状態です。
中華民国としては、もともと中国大陸を治めていたのに追い出されたわけなので、「自分たちこそが正当な中国政府だ」と主張しています。
時がたつに連れ、「中国大陸の支配」から「台湾としての独立」という政策にシフトしていますが、今現在、地球上には二つ中国があります。
この二つある中国を一つにしようという意味で「一つの中国」という言葉が主張されています。
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