衆議院選挙は小選挙区比例代表並立制という仕組みを採用しています。
これは小選挙区制+比例代表制という2つの異なる選挙方法を組み合わせたものです。
衆議院議員は全部で465名ですので、小選挙区で289名、比例代表制で176名が選ばれることになります。
このうち、小選挙区は単純に「その選挙区で一番多くの票を獲得した人だけが当選」というルールです。
ですが、比例代表制は少し複雑なのでわかりにくいのではないでしょうか?
比例代表制の仕組み
比例代表制は、まず全国を11のブロックに分けます。
ブロックの分け方と各ブロックの定員は次のとおりです。
- 北海道 定員8
- 東北(青森・秋田・岩手・山形・宮城・福島)定員13
- 北関東(群馬・栃木・埼玉・茨城)定員19
- 南関東(千葉・神奈川・山梨)定員22
- 東京 定員17
- 北陸信越(新潟・富山・長野・石川・福井)定員11
- 東海(静岡・岐阜・愛知・三重)定員21
- 近畿(滋賀・京都・奈良・大阪・和歌山・兵庫)定員28
- 中国(鳥取・島根・岡山・広島・山口)定員11
- 四国(徳島・香川・愛媛・高知)定員6
- 九州(福岡・佐賀・長崎・大分・熊本・宮崎・鹿児島・沖縄)定員20
各政党は、ブロックごとに候補者に順位をつけた名簿を提出します。
投票は投票用紙に政党の名前を書いて行われ、各政党が獲得した得票数に応じて議席が分配されるという仕組みです。
比例代表制の計算方法
比例代表制の計算はドント式という計算方法で行われます。
あまり聞かない計算方法ですね。まずは次の表を御覧ください。
政党名 | A党 | B党 | C党 |
名簿登載者数 | 4人 | 3人 | 2人 |
得票数 | 900票 | 700票 | 400票 |
(割る数) 1 | 900① | 700② | 400④ |
2 | 450③ | 350⑤ | 200 |
3 | 300⑥ | 233.33… | |
4 | 225 | ||
当選者数 | 3人 | 2人 | 1人 |
まずは、各ブロックで名簿を提出した政党の総得票数をそれぞれ1.2.3.4.、、、と自然数で割っていきます。
上の表の(割る数)と書かれた部分ですね。
割り算が出来たら、割った後の数字を大きい順に並べます。
表では900÷1=900が一番大きく、700、450、400、350、300、233.3…、225、200、と続きます。
ここで定数を確認します。
上記の場合は定数6ですので、大きいものから順に①900、②700、③450、④400、⑤350、⑥300となります。
この数字を持っている政党に議席が与えられます。
① 900 、③ 450 、⑥ 300 はA党、②700、⑤350はB党、④400はC党の得票数を割って出した数字ですので、A党が3議席、B党が2議席、C党が1議席を獲得します。
このような計算方法で行われますので、比例代表制は小さな政党が議席を獲得しやすいと言えます。
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