ウクライナの首都キエフで外出禁止令が出されました。
キエフ市長による外出禁止令で、期間は現地時間15日夜から35時間とのことです。
キエフの外出禁止令が35時間なのはなぜ?
キエフに出された外出禁止令は、現地時間3月15日午後8時~3月17日午前7時(日本時間3月16日午前3時~3月17日午後2時)の期間です。
この期間に外出禁止令が出されたのは、ロシア軍の攻撃が激しくなることが予想されるからです。
これまでの状況から、ウクライナにはアメリカやイギリスがロシア軍の動きを詳細に伝えていることが伺えます。
今回もキエフを包囲するロシア軍が攻撃を強めるというような情報を得て35時間という期間を設け、外出禁止令を発令したものと考えられます。
侵攻開始から2日後の2月26日にもキエフでは外出禁止令が出されました。
このときもロシア軍の攻撃が強くなる事が予想されていて、当初14時間ほどだった外出禁止令が39時間まで延びました。
結果的にウクライナ軍がロシア軍を足止めし、市街戦にはなりませんでしたが、ミサイルなどはキエフにまで到達しました。
2月26日発令のときは「この期間、外出しているものはロシアのスパイとみなす」と市長が強く言ったため、外出している人はほとんどいなかったといいます。
外出禁止令が明けたらなにかあるの?
外出禁止令の35時間というのは、ロシア軍の激しい攻撃が終わるのがこのくらいだろうという予想のもとに設定された期間だと思われます。
ですが、「35時間待てば外を歩いても大丈夫になる」かもしれないのは、「ロシア軍の攻撃が緩むから」ではない可能性もあります。
一つはウクライナとロシアの間で開かれている停戦交渉の結果に期待しているということが挙げられます。
先日、ロシア・ウクライナ双方の交渉官が「前向きな進展があった」と発言しました。
「近日中に何らかの成果がでるかもしれない」とまで言及していたことから、もしかすると停戦交渉がまとまりそうなのかもしれません。
また、現地時間で16日、国際司法裁判所の仮保全措置についての判断がなされる予定です。
ウクライナ側が求めた「ロシアの侵攻停止の仮保全措置命令」についての判断が出るのが外出禁止令が明ける少し前です。
この命令には法的拘束力があるため、仮に侵攻停止を命じられればロシアは侵攻を止めなければなりません。
しかし、国際司法裁判所の命令をロシアが無視してしまえば、それ以上はどうすることもできないと見られています。
結局の所、外出禁止令が明けたからといって攻撃が緩まる保証はありません。
今回の外出禁止令は、単に「これから攻撃が激しくなるからとりあえず35時間は外に出るな」という趣旨で発せられ、場合によってはその期間の延長もありうる命令のようです。
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