ロシア軍が占領していたウクライナの首都キーウ近郊のイルピン周辺で「フレシェット弾」が使用された痕跡が発見されています。
このフレシェット弾とは一体どんなものなのでしょうか?
フレシェット弾とはどんな銃弾?
フレシェット弾とは、矢のような形状をした弾を詰め込んだ砲弾です。
「フレシェット」はフランス語で「ダーツ」を意味します。
ウクライナで使用されたと見られるフレシェット弾は散弾型で、一つの砲弾の中に複数のダーツ型の子弾が込められ、それが空中で炸裂して子弾を撒き散らしながら目標物へ飛んでいきます。
危害範囲は大きいもので半径150メートルにも及びます。
つまり、「(150メートルの半径内に)無数の刃物が降り注ぐ」という残酷な武器です。
その残虐さから、人権団体から「非人道兵器」と批判される兵器です。
使用・生産は減少
このフレシェット弾が使われた戦争として有名なのはベトナム戦争です。
アメリカ軍はこれを「蜂の巣弾」と呼んでいました。
「戦車で発射する用」の大きな砲弾も作られましたが、他の兵器が進歩を遂げてきたことにより、次第に使われなくなります。
ソ連軍では、アメリカ軍が使用したものよりも大きなフレシェット弾が作られていたようですが、今まで使用されたという形跡はないようです。
非人道的でもあり、扱いも簡単ではないようなので、フレシェット弾は現在ではほとんど使われていないようです。
アメリカも生産を中止しています。
こういう兵器を使うということは、ロシア軍の砲弾不足をうかがわせます。
侵攻に思った以上に時間がかかり、武器が少なくなって「昔作って使わなかった砲弾」を引っ張り出してきたのかもしれません。
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