フィンランドとロシアの関係と戦争の歴史を簡単に

フィンランド 政治・経済
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フィンランド政府は5月12日、NATO(北大西洋条約機構)への加盟申請を速やかに行うという発表をしました。

これまでフィンランドは軍事的に中立の立場をとってきましたが、ロシアのウクライナ侵攻を受けて方針転換した形です。

この2国、フィンランドとロシアの関係と戦争の歴史を簡単に記したいと思います。

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フィンランドとロシアの関係

フィンランドはロシアのすぐ西側に位置する北欧の国です。

その昔、ロシア帝国の支配を受けていました。

ロシアの一部であった時代がある国です。

現在のフィンランドはEUに加盟しており、西側諸国と連携を深めながらも、ロシアにも配慮を見せる中立国として認識されています。

「フィンランド外交とは、自由主義経済を維持しながらソ連(ロシア)の意向に反しないようにすることだ」と揶揄されることもあります。

つまり、フィンランドとロシアは「密接というわけではなく、かと言って敵対もしていない」という、付かず離れずの関係です。

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フィンランドの歴史

ここで少しフィンランドの歴史について記します。

フィンランドはもともとスウェーデンに支配されていました。

国家が形成されるより前に、スウェーデンが現在のフィンランドの地域を征服していたということです。

そのスウェーデンとロシア帝国の間では何度も戦争が起こりました。

その過程でロシアはフィンランドの地域を制圧し、「フィンランド大公国」という国をつくります。

この「フィンランド大公国」の君主はロシア皇帝が兼ねており、実質的にロシアが支配していました。

支配はされていたものの、この時のロシア皇帝の方針により、内政はフィンランド人が担当し、フィンランド語が公用語になるなど、この時代にフィンランドのアイデンティティが形成されていったとされています。

そうして民主主義への動きが高まり「我々はスウェーデン人には戻れない。しかしロシア人にもなれない。そうだフィンランド人でいこう。」という言葉が謳われるようになります。

これに対してロシアは中央集権の方向へ舵を切り始めます。

次第にフィンランドとロシアは反発しあうようになり、ついにフィンランドは独立を果たします。

(日露戦争での日本の勝利が、フィンランド独立運動の高まりに影響を与えたとも言われています。)

第二次世界大戦では敗戦国の扱いを受けソ連の影響下に置かれますが、ワルシャワ条約機構には加盟せず、中立化を貫きます。

「ヨーロッパに位置し、ロシアと国境を接しながらも、冷戦時代に西側陣営にも東側陣営にも加わらない」という非常に精密な舵取りで、独立と中立化を守って来た国です。

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フィンランドとロシアの間の戦争

冬戦争

前述の通りフィンランドはロシア帝国に支配されていました。

その後、独立を果たした後にソビエト連邦と戦います。

冬戦争」と呼ばれるこの戦いが今回のウクライナのケースとよく似ています。

フィンランドとの国境近くを守っていたソ連の国境警備隊が、「フィンランド側からの発砲を受けた」としてソ連がフィンランドに侵攻を開始しました。

これはソ連による偽旗作戦(でっちあげ)だったと結論付けられています。

当時の人々から見ても侵略行為が明らかであったため、ソ連は国際的な非難を浴びて国連(※当時は国際連盟)から追放されました。

ソ連はフィンランド軍の3倍の兵力を投入。

すぐに降伏すると高をくくっていました。

しかし、フィンランドの粘り強い反撃によりソ連軍は苦戦。

国際社会は圧倒的にフィンランドを支持し、フィンランドに対して支援を行い、ソ連に対して制裁を加えます。

結果的にフィンランドは独立を守りますが、その代償として国土の約10%をソ連に対して割譲することになりました。

継続戦争

冬戦争の後、フィンランドはスウェーデンとの軍事同盟締結を模索していましたが、ソ連やドイツの反対をうけ断念。

ソ連に対抗するためにやむなくナチス・ドイツと手を結ぶことになります。

この後ドイツがソ連に侵攻を開始しますが、このドイツ軍はフィンランドにも駐留していました。

そこでソ連軍はフィンランド領に対して空爆を行います。

これをきっかけにソ連とフィンランドの間で再び戦争が勃発。

この戦争は前述の「冬戦争」の続きであるということで「継続戦争」と呼ばれます。

フィンランドは一時期冬戦争前の領土を取り返しますが、その後反撃を受けます。

最終的に休戦協定を結び、戦争は終結しますが「国境線は冬戦争後のもの」とされました。

※つまりフィンランドは国土の10%を失ったままです。

フィンランドはナチス・ドイツと組んだため、第二次世界大戦では敗戦国として扱われますが、ドイツが降伏するより前に休戦協定を結んだため、他の敗戦国と比べてソ連による強力な支配が行われることはありませんでした。

こういった歴史が現在のフィンランドの中立国という、微妙な立ち位置の起源となっています。

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