ウクライナ情勢関連のニュースが数多く流れる中で、ロシアが所持する「死の手」と呼ばれる核兵器制御システムの名前を耳にしたことはないでしょうか?
この「死の手」とはどんなものなのでしょうか?
死の手とは?
死の手とは、ロシアが使用しているとされる核兵器自動制御システムのことです。
このシステムは、ソビエト連邦時代から使われていたとされています。
公表されているわけではないので、詳細は不明ですが、ロシア西部の「コスビンスキー山」の地下にある基地にあると推定されています。
死の手は、ソ連(ロシア)が核兵器による攻撃を受けた場合に、自動的に核弾頭を搭載した大陸間弾道ミサイルを発射するという仕組みになっています。
他国による核攻撃を受け、政府の指導部が完全に破壊されたとしても、報復として核兵器による反撃ができるようにするためのシステムです。
どんな場合に発射する?
機密性の高いシステムのため詳細までは不明ですが、ソ連・ロシアの高官の話によると、「ロシアの危機の場合のみ」発射されるとしています。
具体的には、「光、地面の揺れ、放射能、過圧の検知」などによって危機を判断すると言われています。
つまり、「ロシアが核兵器による攻撃を受けたこと」が死の手が稼働する条件となっているようです。
一部の報道では「プーチン大統領の死」が死の手の稼働条件になっているのではないかとしていますが、さすがにそれは現実的ではありません。
そもそも、ソ連の指導部でさえ「自動トリガーの核兵器発射システムは危険過ぎる」と考えており、死の手は検討されたが運用されていないという話もあるくらいです。
個人の生死が核兵器の発射の条件になっているとは考えづらいといえます。
他国からの攻撃以外でも人は死ぬからです。
他国が関係ないところで亡くなった場合、完全に核兵器の誤射となり、残されたロシア国民が悲惨な報復を受ける事になってしまうことにもなります。
そういう事情があるため、たとえプーチン大統領が自身の死を発射の条件に指定したとしても、自動発射システムを制御する技術者がそのとおりにプログラミングを行うとは限りません。
ただ、発射条件の「ロシアの危機」というのが具体的に何のことなのか分かっていないため、ロシアと敵対した国は攻撃に一定程度慎重になることが予想されます。
「死の手」は存在自体、確定したものではありません。
ロシアが「死の手」というシステムの存在を匂わせるのは、こうやって敵国を揺さぶることにあるのかもしれません。
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