アメリカ政府は日本時間の3月12日、ウクライナへ最大2億ドルもの軍事支援をすると発表しました。
これは日本円でいうとおよそ230億円以上の支援です。
この支援の中身には「ジャベリン」や「スティンガー」などのミサイルが含まれるとのことです。
ウクライナへの武器供与・支援はセーフなの?
アメリカは、ロシアのウクライナ侵攻が始まる前から一貫して「軍隊は派遣しない」との立場を貫いています。
これはアメリカがロシアと軍事衝突を起こし、それがエスカレートしていくと規模の大きな戦争に発展するおそれがあるからです。
それこそ第三次世界大戦ということにもなりかねません。
そういう理由でアメリカ軍はウクライナに派遣されていません。
ですが、ウクライナに武器を供与すれば、ロシアが「アメリカが参戦した」と捉えてアメリカ・ロシア間で衝突が起きないのでしょうか?
武器供与でロシアと衝突するおそれ
もちろん、アメリカの武器供与を敵対行動だと捉え、ロシアがアメリカと衝突する危険性はあります。
ですが、ロシアはアメリカと戦いたいとは思っていません。
アメリカは世界一の軍事国家で経済力も世界一、さらに核兵器もロシアに引けを取らないほど所持してす。
アメリカとまともに戦争をすれば、おそらく核兵器の撃ち合いになって、人類史上最大の悲劇が起こる可能性すら見えています。
そんな危険な相手に簡単に戦いを挑むことは出来ません。
今回のウクライナ侵攻もアメリカが介入しないと踏んだからこそ起きたとも言えます。
一方、アメリカも戦争はしたくないので、アメリカは「ロシアが怒って攻撃してこないギリギリの支援」をしようとしています。
ロシアと衝突しないギリギリの武器支援の見極め
プーチン大統領は「NATOがウクライナ領空に飛行禁止空域を設定」すれば、参戦したとみなすと明言しています。
飛行禁止区域の設定がアウトであることはこの発言で明らかになりました。
この後、当初アメリカが予定していた「ウクライナに対する戦闘機の供与」は急遽取りやめられました。
戦闘機の供与をしてしまうと「アウト」である可能性が高いとアメリカ側が判断した模様です。
その次の支援策として「ミサイルを含む2億ドルの軍事支援」が発表されています。
この軍事支援にはミサイルが含まれていますが、それは「対戦車ミサイル」「携帯型地対空ミサイル」であり、つまり「生身の人間が戦車や軍用機と戦うための武器」です。
アメリカとしてはこの武器の支援は「攻撃用ではなく自衛のため」という理屈です。
すでにこれらの兵器は各国がウクライナへ支援をしています。
ですが、ロシアからみるとあまりに多くの武器を相手側に提供されると困るので、どこかでストップをかけてくるものと考えられます。
アメリカ政府はこれを発表することによって、ロシアがどう反応するか対応を見極めようとしているのかもしれません。
今回の軍事支援発表は、「各国の支援をどこまでロシアが許容できるのか」というギリギリのラインを見極めようとする意図もあってのことだと考えられます。
ただ、プーチン大統領は以前、「経済制裁は宣戦布告と同じようなものだ」と発言しており、ロシアのリャブコフ外務次官は「武器支援の隊列は攻撃対象になる」と警告を発しています。
直接軍隊がぶつかっていないアメリカとロシアの間でも心理戦が激しくなってきている模様です。
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