政府が30兆円超の財政支出をして取り組む経済対策の目玉が「18歳以下への一律10万円の現金支給」となりそうです。
この政策について、様々な疑問の声があがっています。
コロナ不況の対策になってない
まず、新型コロナウイルスの影響による不況への対策になっていないと言う声が多く聞かれます。
現在のところ、政府が行おうとしている案は、公明党が選挙の公約に掲げていた「未来給付金」と言われる政策そのものです。
これは、18歳以下の未成年に一律10万円の現金を支給するというものであり、年齢以外に制限はありません。
だとすると、18歳以下の人がいる家庭では、生活困窮者でなくともこの支給を受け取ることができ、逆に19歳以上の生活困窮者には特に支援はしないということになります。
これではコロナで経済的な打撃を受けた人を救う策にはなっていません。
マイナンバーカードを持つ人全員にポイントを3万円分付与するという政策もあわせて検討されているようですが、これは生活困窮者支援というより、マイナンバーカードの普及活動の一環の側面が強いと言えます。
3万円分のポイントを一度もらったからと言って、窮した生活を立て直すのにどれだけの効果があるのでしょう?
未成年者への支援政策でもない
ではこの政策は「未来給付金」の名前が表すように、未成年者への支援が目的で、新型コロナウイルスとは関係のない政策なのでしょうか?
しかし、そう考えるのも難しい面があります。
10万円の支給はおそらく今回1度のみです。
未成年者に支援をするならば、毎年継続して実施しないと効果がありません。
来年以降に生まれた子が支援を受けられないからです。
そもそも未成年者への支援ならば、教育費などを安くしたほうがよっぽど効果的です。
給付の目的が不明
新型コロナウイルスによる不況の影響で生活が苦しくなった人を救うための政策でもなく、かといって未成年者を支援するための政策でもないのであれば、今回の給付は何のために行われるのでしょう?
おそらくは「公約として打ちだして、それで選挙に勝った以上約束は守らなければならない」という公明党に配慮してのことだと推察されます。
自民党は議席数を減らしましたが、公明党は議席を増やしています。
その公明党の選挙戦での目玉となる公約が「未来給付金」でしたので、公明党としてはぜひとも実現させたいし、自民党としても無下にする訳には行かないといったところでしょう。
ですので、今回の給付の目的としては経済支援などではなく、「公約を実現させるため」つまり、「国民に嘘つきだと思われないため」というのが一番大きなものだと思われます。
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